2本目のレンズに何を選ぶか――。
最近初めてデジタル一眼レフ機を購入した人なら、まだ標準ズーム1本しか持っていない人も少なくないと思う。標準ズーム以外の交換レンズにはどんな特性があるのか、どんな写真が撮れるのか。それを明らかにするのが、この記事の狙いだ。
今回取り上げるのは、今年3月に発売したキヤノン「EF-S60mm F2.8 マクロ USM」。これは、APS-Cサイズの撮像素子を採用する同社のデジタル一眼レフ機専用のマクロレンズである。使用できるカメラは、今のところ「EOS Kiss Digital」、「EOS Kiss Digital N」、「EOS 20D」、「EOS 20Da」の4台となる。
35ミリフォーマットに換算して96ミリ相当の画角を得られ、このクラスのマクロレンズとしては比較的コンパクトなサイズを実現する。同社には「EF50mm F2.5 コンパクトマクロ」という、さらに小型軽量の旧製品もあるが、それよりも画質や外装の質感、最大撮影倍率、使い勝手などがいっそう進化している。
マクロレンズとは、ピントが合う最短の撮影距離が短く、小さなものに近づいて大きく写せるレンズのこと。どのくらい大きく写るかは、スペックの「最大撮影倍率」で確認できる。たとえば、最大撮影倍率が1倍(等倍)のレンズでは1センチの被写体が撮像素子の面で1センチに写り、最大撮影倍率が0.5倍のレンズでは1センチの被写体が撮像素子の面で0.5センチに写る。つまり倍率が大きいほど、対象を大きく写せる。
具体的に言うと、「EF-S60mm F2.8 マクロ USM」の最大撮影倍率は「1倍(等倍)」であり、EOS 20Dの撮像素子のサイズは22.5ミリ×15ミリである。したがって、このレンズとこのカメラの組み合わせでは、幅が22.5ミリで高さが15ミリの被写体を画面いっぱいのサイズで写せるということになる。
100円玉が画面の横幅いっぱいに写るといえば、等倍撮影のイメージがつかみやすいだろう。偶然にも100円玉の直径は22.6ミリと、EOS 20Dの撮像素子の幅とほぼ同じだからだ。
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