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“デジタル版GR1”を予感させる本格志向――リコー「Caplio GX8」レビュー(2/5 ページ)

» 2005年05月23日 15時48分 公開
[小山安博,ITmedia]

シンプルで分かりやすい操作性

 メニュー画面はシンプル。3つのタブにそれぞれ5項目ずつ、すべて1画面に収まっており、スクロールの必要がないため、項目の一覧性がいい。再生画面では1ページしか設定項目がない。基本的にカメラ全体の設定は、モードダイヤルの「SETUP」を使う。撮影・再生時にあまり利用しない設定は別に分けてしまうのはうまいやり方だ。

photo 1画面ごとの設定項目は多くないので、すばやく設定できる
photo 再生画面でメニュー項目は5つだけ

 操作性もよく練られている。たとえばADJ.ボタンで設定を変更している場合、OKボタンを押さなくても、シャッターボタン半押しでその設定が確定して設定画面が消え、撮影後に再び設定画面が立ち上がる仕組みになっている。これは設定を変えながら撮影したいときに便利だし、設定変更中にすばやく撮影に移れる。逆に、OKボタンを押さなかったからキャンセル扱い、というわけにはならない。

 十字キー左で直近に撮影した画像が表示される「クイックレビュー」も使いやすい。ただ、再生できるのは直前の1枚だけで、撮影情報の表示もなく、拡大再生ぐらいしかできないが、ピントや構図の確認には十分だ。拡大再生はズームボタンで行い、最大8倍まで拡大可能。ズームボタンを一度押して拡大再生モードに入れば、OKボタンで一気に最大倍率まで拡大、もう一度OKボタンを押すと標準サイズに戻る操作性もいい。

 液晶モニターは1.8インチTFTで、視認性は特に不満のないレベル。薄型のデジカメなど、最近は2.5インチの大型液晶が増えてきているが、GX8のデザインではこのサイズが限界かもしれない。

 液晶画面には撮影時にもリアルタイムにヒストグラムが表示できる。ADJ.ボタンなどで撮影設定を変更すると、オレンジ色の文字やアイコンでその設定値が画面に表示されるのは分かりやすい。パッと見ただけで設定が変更されているのが分かるので、誤った設定で撮影してしまう失敗が減りそうだ。

photo ISO感度などの設定を変更すると、設定値がオレンジ色で表示される

充実した撮影機能

 カメラとしての基本性能を見てみよう。撮像素子は有効824万画素1/1.8インチCCDを採用している。撮像素子のサイズが違うとはいえ、800万画素は現在のデジタル一眼レフカメラで主流の画素数だ。コンパクトタイプで800万画素以上という画素数が必要かどうかはともかくとして、最大で3268×2448という高解像度の写真が撮れる。

 起動時間は約1.3秒(公称)で、起動時にレンズがせり出すタイプながら、十分に高速なレベルを達成。撮影間隔も最大解像度・最高画質でも約1.7秒間隔。AFスピードも速く、レスポンス面では大きな不満は感じなかった。またシャッター半押しをせずに一気押しでもAFが合焦するので、とっさの場合の撮影に使える。このときのレリーズタイムラグは約0.1秒らしい。

 レンズは28〜85ミリ相当の広角寄りの3倍ズームレンズ。同じ28ミリから始まるR2のレンズが倍率4.8倍(135ミリ相当)まで対応していたのに比べて万能感はないが、収納時にレンズが鏡胴外に逃げる「リトラクティングレンズシステム」で厚みを抑えてコンパクトな4.8倍ズームを実現していたR2に比べると、GX8の方がレンズ設計には余裕がありそう。基本的にレンズは前モデルのGXと変更はないようだ。

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