GX8は、「デジタル一眼レフは大きすぎる」「デジタル一眼レフをまだ使いこなせるか分からない」といったユーザーが使うのに向いていそうだ。競合機種でみると、キヤノンのPowerShot G6、松下電器産業のLUMIX DMC-LC1、ニコンのCOOLPIX 8400といったあたりと同じような位置づけ、といえる。
もっとも最近は、高額なコンパクトデジカメラとデジタル一眼レフの価格差がほとんどなくなった状態で、このあたりのスペックのこのタイプのカメラは位置づけが難しくなってきている。
そんな中、GX8は実売で6万円前後が予想されており、そういったハイエンド製品と比べて比較的安価だ。同クラスのカメラと比べると最も小さく、軽い。コンパクトなため、お勧めはしないが、ジーンズのポケットに収めることもできた。
個人的にGX8は、“デジタル版GR1”の先触れなのではないかと感じている。リコーのGR1は、28ミリの単焦点レンズを備えた銀塩コンパクトカメラの名機で、充実した性能と優れた描画力でプロからも評価が高いカメラだ。昨年ドイツで開催された写真イベントのphotokinaで、このカメラのデジタル版の開発が予告され、今年にも登場する予定になっている。
現行のラインアップでは、GX8がデジタル版GR1にもっとも近い。GX8も高い描画力を持っていると思うし、前モデルと比べても画質は向上しているようだ。このまま進化し続けるならば、デジタル版GR1の画質もかなり期待できそう。リコー自身も「期待していてください」と話しており、今から楽しみなところだ。
いずれにせよ今回のGX8は、扱いやすく充実した機能を備えたハイエンドコンパクトとして完成度は高い。一眼レフのような撮影をしたいという人や、普段一眼レフを使っているが、コンパクトで写りのいいサブカメラを探している、といった人が購入を検討してもいいカメラだと思う。
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