産業技術総合研究所は6月2日、人間型ロボット「HRP-2」(プロメテ)の知覚機能の拡大に成功したと発表した。テレビなどのある場所でも人の声を認識し、指示された動作を行うことができる。
これは新開発された音声認識機能によるもので、「8つの無指向性マイクからなるマイクシステム」「頭部カメラの映像から人物を特定するソフトウェア」「音源位置を推定し、人物位置と照合することで声以外の雑音を分離・除去するソフトウェア」「これらソフトウェアをリアルタイムで実行できる専用ハードウェア」から構成されている。
専用ハードウェアはロボット内部への組み込みが可能となっており、ヘッドセットやマイクを使わない、自然な人とロボットのコミュニケーションを可能にした。また、認識した音声命令によりロボットを動作させ、ロボットからネットワークを介してテレビなどを操作できるソフトウェアも開発されており、「ロボットに対して声で命令を与え、ロボットが情報家電を操作する」というコミュニケーションを可能にしている。
同研究所では今後、音声認識機能と視覚機能との連携を強化することによって、複数の人物が話している場合でも、ロボットが目的の人物の音声を認識できるようにしていくとともに、ロボットの持つさまざまな動作との連係も強化し、視聴覚機能を備え、実環境で動作する人間型ロボットの実現を目指すとしている。
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