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この夏“買い”の大画面テレビ麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」――バイヤーズガイド編(3/4 ページ)

» 2005年06月30日 22時20分 公開
[西坂真人,ITmedia]

――液晶テレビ最後の1機種は?

麻倉氏: 東芝の液晶テレビ“ちょっとタイム [Face] ”「37LH100」(最新価格はこちらをクリック)です。映像自体はいかにも液晶という感じのハッキリクッキリで押し出し感のある画作りなのですが、この製品は画質というより使いこなしで評価したい製品。ポイントはHDDを搭載している点ですね。

photo 東芝の液晶テレビ“ちょっとタイム [Face] ”「37LH100」

 現在、デジタルレコーダーが普及していますが、DVDに保存するという従来のビデオデッキ的な使い方よりも実際にはHDDを利用したタイムシフト的な使い方がメインとなっています。でもね、それって本来、録画機側ではなくてテレビ側に内蔵するべき機能なのではないでしようか。ちょっと席を外したい時も、映像を止めて戻ってきたら続きが見られる。ニュースボタンを押すといつでも最新ニュースが見られる。これはデジタルレコーダーでもできるのですが、やはり操作が面倒。テレビにHDDを内蔵することで、テレビライフが今後もっと楽しくなる余地があるんだということを示しているのです。さらにHDDがテラバイト級の大容量になると、ビデオサーバ的な使い方も出てきます。HDD内蔵テレビの今後に期待したいですね。

――ではプラズマテレビのお薦めは?

麻倉氏: 今年の夏のプラズマテレビの新製品は松下しかないですね。製品としてはプラズマテレビ“VIERA”「TH-42PX500」(最新価格はこちらをクリック)です。まさに“王者の貫禄”です。松下のプラズマ技術は、実は他社に比べて比較的新しい。当初、DC型という直流型でプラズマ開発を進めていて途中で一度プラズマから撤退し、また再参入したときに米国プラズマコという会社を買収してAC型プラズマの技術を松下は手に入れました。その中に種火のパワーを少なくする技術があって、それが「リアルブラック回路」の原型となり松下のプラズマ躍進の原動力になったのです。

photo 松下プラズマテレビ“VIERA”「TH-42PX500」(撮影協力:ビックカメラ有楽町店)

 リアルブラックによる3000:1(現在は4000:1)という高いコントラスト比は、2000年の登場時から5年間もリードしています。この高コントラスト比に合わせて階調数も毎年新製品ごとに0.5ビットずつ上げています。この先進的なパネル技術に合わせて、画作りを行っているのです。映画を表現するということでいうと、現時点ではTH-42PX500がベストバイでしょう。

 松下はアナログ時代からの画作りの伝統がありますが、プラズマではデバイスとセットを同時に作ることでその伝統を継承し、なおかつ先進的な技術をいち早く盛り込んでいます。経営方針としてのうまさだけでなく、純粋にメーカーとして“良い製品”をしっかり作っているのです。現時点で物足りないのは、フルHDじゃないことぐらいですね。

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