TOTOは7月8日、システムキッチンの新製品「Cuisia」(キュイジア)を発表した。リビング・ダイニング空間にあってもインテリアの雰囲気を壊すことのない「すっきり」したデザインが特徴、コンロを使用していないときはレンジフードを自動的に収納する「しまえるクリーンフード」などユニークな機能が盛り込まれた。
近年のリモデルブームではリビングと並んで需要の高いキッチンだが、TOTOキッチン開発部の岡徹部長によると「主流のオープンキッチンでは、リビング・ダイニングの雰囲気を壊さないインテリア性が求められるようになった」という。実際、同社が実施した調査では、最近キッチンを購入した30〜50歳代の女性のうち、約7割が「キッチン購入にあたり、周囲の空間との調和を考えた」と回答している。
「キッチンは“奥さんの作業場”から、“家族全員の生活空間”に変わってきた。(リモデルでも)リビング+キッチン空間として考える必要がある」。
リビングルームのデザインはさまざまだが、「Cuisia」ではキャビネットの素材や色を選択して各家庭のイメージに合わせることができる。セラミック、ガラス、ステンレス、天然木のほか、インテリアデザイナーの川上元美氏デザインによる“漆調”の扉まで、9種類42色を用意している。しかも、上部のウォールキャビネット(吊り戸棚)とフロアキャビネットで異なる素材を指定可能。こうした試みは業界初だという。
また、キッチンを正面から見たときの印象をすっきりさせるため、収納キャビネットのラインを等間隔に揃え、フルフラットコンロとカウンターの段差もわずか3ミリとした。表面に連続性を持たせることで、作業スペースも広がった。
注目の「しまえるクリーンフード」は、コンロ上のウォールキャビネットに収納されている。コンロに点火すると、自動的にフードがせり出してきて薄型ファンが稼働。湯気や煙を吸い込みはじめる仕組みだ。逆にコンロのスイッチを切ると、数分後に換気扇が止まり、フードが収納される。
フード自体は35ミリと薄く、収納時にはラインの整ったウォールキャビネットにしかみえない。また薄型フードにより「これまでデッドスペースだったフード上部にも収納スペースが確保できた」(同社)という。
一方、ステンレス製のシンクには、表面のセラミック系コーティングの中にフッ素の微粒子を混入する「ラクピカコート」を施し、傷や汚れが付きにくくした。「フッ素微粒子の役割は、クッション性と硬さ、そして滑りやすい表面にすること。傷つきにくく、水垢や汚れの付着も抑制する」(岡氏)。
デモンストレーションでは、クレヨンを使って従来のステンレスシンクと「ラクピカコート」を比較。乾いた布でこするだけでクレヨンがキレイに落ちるところを実演した。
「Cuisia」の価格(本体のみの参考価格)は、「オールスライドプランCセット」の114万6075円より。主な仕様は、人口大理石カウンター、フレックスシンク、シングルレバー混合栓、フルフラットスーパーコンロ、「しまえるクリーンフード」など。食器洗い乾燥機組み込みセットなど、各種プランが設定されている。
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