東芝は8月24日、同社が年末にHD DVDプレーヤーを立ち上げる前に、次世代DVDの統一規格が登場することはなさそうだと語った。これはユーザーを混乱させ、業界の成長を阻害する可能性がある。
それぞれ別の規格を支持する陣営を率いる東芝とソニーは、次世代DVDに自らの推す規格を採用させようと3年にわたって争ってきた。次世代DVDは、高精細映画を格納できる大幅な記録容量の増加を約束している。
東芝はNEC、三洋電機とともにHD DVDを推進し、ソニーは松下電器とともにBlu-ray Discを開発してきた。
この戦いには、数十億ドル規模のDVDプレーヤー、PCドライブ、光学ディスク市場のポールポジションがかかっている。
「統一に向け取り組んできたが、現在交渉は行き詰まっている。計画通りに製品立ち上げを進めるつもりだ」と東芝の西田厚聰社長はReutersの取材に応えて語った。
だが西田氏は、今年末にHD DVDプレーヤーを立ち上げた後でも、最終的に統一規格で合意するための取り組みを続けると付け加えた。
「残念なことに、2種類の製品が市場に登場することになるようだ。だがこれは5年、10年使われるような技術だ。統一に向けた努力は継続するべきだ」と同氏。
ソニーは来年、Blu-ray Discドライブを次世代プレイステーションに搭載する計画だ。
両陣営は今年に入って、20年前のVHS対ベータの戦いで起きたような混乱や不利益を避けるために、共通のフォーマットを作り出そうと土壇場の努力を行ったが成功には至らなかった。
両DVD規格の中核となっているのは青色レーザーだ。これは現行DVD機器で使われている赤色レーザーよりも波長が短いため、高精細映画やテレビに必要なより高い密度でデータをディスクに記録できる。
DVDフォーマットの成否を左右するハリウッドの映画会社の中で、Warner Bros. Studios、New Line Cinema、Paramount Pictures、Universal PicturesがHD DVDを支持し、Sony Pictures、Walt Disney、Twentieth Century FoxがBlu-rayを支持している。
西田氏は、東芝製HD DVDプレーヤーの価格を明かすことを避けたが、1000ドルを下回るだろうと示唆した。
「1000ドルを超える値段が付いたら売れないだろう」と同氏。
東芝はHD DVDレコーダーおよびHD DVDドライブ搭載ノートPCを2006年前半に立ち上げる計画だ。同社はDell、Hewlett-Packard(HP)に次ぐ世界第3位のノートPCメーカー。
西田氏(61歳)は、HPとDellの積極的な価格構成により大きな打撃を受けた東芝のPC事業を昨年度に黒字復帰させた功績により、6月に岡村正氏に代わって社長に就任した。
東芝の半導体事業について、西田氏は、ドル箱事業であるNAND型フラッシュメモリの需給バランスが、年内いっぱいは引き締まった状態にあるだろうと語った。
「現時点では、需要の約70%しか満たせない。このような状況は第4四半期まで続くと予測している」(同氏)
世界第7位の半導体メーカーである東芝は、急速に成長するNAND型フラッシュメモリ市場でSamsung Electronicsと競い合っている。この種のフラッシュメモリは、デジタルカメラ、カメラ付き携帯、Apple ComputerのiPod shuffleなどの携帯音楽プレーヤーで広く使われている。
東芝株はこの日、Reutersの取材前に0.91%安の436円で引けた。これは、0.13%下げた東京株式市場の電気機械類の指標を下回っている。
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