本製品はBluetoothで伝送を行うため、最初の利用時にはペアリングと呼ばれる作業を行う必要がある。
ヘッドフォン/トランスミッターの双方に電源を入れた後、双方のペアリングボタンを2秒〜3秒間押し続けるとLEDが赤と青の交互に点滅するペアリングモードに入る。この状態で指を離すと数秒後に双方のLEDが青の点滅状態に移行する。ここまで確認できれば初期作業は完了だ。ペアリングが完了すれば、一度電源をオフにした後でも再度電源を入れれば自動的に接続が確立されるようになる。
双方のLED青点滅の状態であることを確認した後、接続した機器(iPodなど)の再生を開始すればヘッドフォンから音楽が流れ出す。再生/停止などのコントロールについては接続したオーディオ機器から行う必要があるが、音量調節についてはヘッドフォンの右ハウジング設けられたボタンからも可能だ。伝送を止めたい場合には、ペアリングボタンを押せばよい。
ただ、ヘッドフォン側から音量調節を行ってもある程度以上には音量を大きくできず、大きめの音量で楽しみたいときには接続機器側からの操作が必要になる。ヘッドフォン側の操作はあくまでも音量ダウンだけに限定して、音量操作も基本的には本体から行った方がいいだろう(マニュアルでも音量調整は本体側で行うことが推奨されている)。
伝送距離についてマニュアルには、「電波到達距離は障害物がない環境で半径約10メートル」と記載されている。また、トランスミッターを装着したポータブルプレーヤーは体の前面、あるいは右側に配置することが推奨されている。それではと「肩掛けカバンの中に入れる」や「デイバックの中に無造作に詰め込む」「5メートルほど離してみる」などの状況を作り出してみたが、いずれも利用に問題は起こらなかった。
一般的な利用シーンではそう不都合を感じることはないが、直線でも間に大きな柱を挟んだ場合や、近距離でも柱のカドの向こう側/ドア越しなどの条件では音が途切れがちになったり、完全に聞こえなくなってしまうことがあった。
音質について「REX-WHP1P」ほどの迫力はないものの、ネックバンド型ヘッドフォンとしては十分なクオリティだといえる。無音時のホワイトノイズもほとんど感じられない。装着中に音量ボタンを押すと「カコカコ」という物理的な音が響くが、基本的に操作はすべて接続したプレーヤー側で行うという事を考えれば、そう気にはならないだろう。
本製品にはもうひとつ特徴がある。右ハウジングにはマイクも備えられており、Bluetoothに対応した携帯電話のヘッドセットとしても機能する点だ。トランスミッターと同じ手順で携帯電話とのペアリングを行えば、トランスミッター経由で音楽を聴いている際に着信があったときでも、ペアリングボタンを押せば通話が開始できる。通話が終わってペアリングボタンを押せば、トランスミッターとの通信が回復して音楽が流れ始める。
携帯電話との連携は非常にスムーズ。携帯電話には「Vodafone 902SH」を使用したが、着信音が本製品のヘッドフォンから流れない(ヘッドフォンで着信音が確認できるかは携帯電話の機種に依存する)以外は、着信/通話も問題なく行えた。発信についても、「発信」ボタンを押した後の音声はすべて本製品のヘッドフォンで確認できた。音楽再生中に着信し、通話完了した場合に音楽再生に復帰するまでのタイムラグもほんの一瞬で、利用にストレスを感じることはなかった。
Bluetoothを採用した折りたたみ可能な小型ワイヤレスヘッドフォンとしては、サンコーレアモノショップのiPod用ヘッドフォン「iCombi」(レビュー)もあるが、携帯電話のハンズフリーヘッドセットとしても機能する点は、本製品の大きな特徴だ。
トランスミッターのケーブル部分の強度や音量調節の幅が狭いことなど、不満がないわけではないが、携帯電話との連係機能は非常に優れており、所有している携帯電話がBluetoothに対応しており、iPodの無線化と同時にハンズフリーフォンの導入も考えているならば、検討に値する製品といえる。
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