ミュージシャンの宮沢和史氏は9月6日、自身の楽曲「Shima-Uta」(島唄)が日本のiTunes Music Storeを含めた世界20カ国のiTunes Music Storeから同時に配信開始されることを発表した。ひとつの楽曲が、世界で展開する20のiTunes Music Storeから同時に配信開始されるのは初めてのケース。
配信される「Shima-Uta」は2005年のヨーロッパツアーから帰国後、レコーディングし直したもの。配信開始日は9月7日で、価格は150円。同曲のほか、「ひとつしかない地球〜The One and Only Earth〜」「ちむぐり唄者(Monoaural Mix)」「遠い町で」「沖縄に降る雪」を含む5曲パッケージも用意され、こちらの価格は600円となっている。
配信される国はアメリカ、ルクセンブルグ、ポルトガル、ベルギー、フランス、フィンランド、ノルウェー、ドイツ、デンマーク、スペイン、スウェーデン、スイス、ギリシャ、カナダ、オランダ、オーストリア、イタリア、アイルランド、イギリス、日本の20カ国。なお、5曲パッケージは海外向けと日本向けでは一部収録曲が異なる。
アップルストア銀座にて会見を行った宮沢氏は、「音楽がもっとたくさんの人に広がるといいなと思いながら16年間活動してきた訳なんですが、(音楽配信という)CDを超える広がり方があることにワクワクしています」とコメント。
また、「グローバリズムに地域性やマイノリティが飲み込まれてしまうとすれば残念なことだけど、(音楽配信によって)これまで注目を浴びてこなかった国や地域のミュージシャンが注目を浴びるかもしれない。グローバリズムとマイノリティ、双方のいい部分が(音楽配信で)両立されると思っています」と、南米や東欧など必ずしも音楽シーンでメジャーとはいえない地域での音楽活動が豊富な宮沢氏らしい期待も述べた。
既に宮沢氏のその他の楽曲はiTMS-Jにて販売されているが、CDというパッケージについて宮沢氏は「(CDという形に)こだわる気持ちは確かにある。ただ、音楽は形のないもので、データでもあると割り切ることによって、いろいろな人へ音楽を届けることができるようにもなる。その可能性にかけた」と、戸惑いを感じながらの提供開始であった事を明らかにした。
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