ここのところ、放送まで巻き込んだ映像ソリューションの話題には事欠かない。デジタル放送のコピーワンス問題、テレビのフルHD化、次世代DVD、そしてVOD。これらは今年になってから急速に注目が集まった部分である。
しかしよく思い返して欲しい。確か昨年まで家電境界、PC業界総出で担いでいたのは、「ホームネットワーク」だったはずだ。ところが最近は製品訴求のキャッチコピーとして、とんと「AVでネットワーク」という話を聞かなくなってしまった。いったいホームネットワークはどこへ行ってしまったのだろう。
そこで今回は、ホームネットワークの標準化を進めているDLNAの中でハブ的な役割を果たしているデジオンに、現在の状況と問題点、そして将来性について伺ってみた。
そもそもデジオンとは、DLNAとはなんぞや、という方もいらっしゃるだろう。同社とDLNAに関しては、以前にまとめたコラムがあるので、そちらを参照していただければ幸いである。
DLNAの最初のガイドラインができたのが、昨年6月。今、1年3カ月ほど経って、最先端のとんがった製品には、徐々にネットワーク対応製品も出てきている。例えばテレビでは、東芝が「FACE LZ-150シリーズ」を出したのは結構早かったし、シャープは「液晶IT-TVシリーズ」で頑張っている。
だがこれらの機能が、もっと一般的なレベルの製品に組み込んでいけるかどうかは、議論が分かれるところだろう。東芝はネットワーク当たり前といったスタンスだが、シャープではテレビの著名ブランド「AQUOS」シリーズではなく別ブランドで展開しているところからも、一般家電の中でネットワークをどう扱ったらいいか、という悩みのようなものが垣間見える。
まずはAV機器メーカーのホームネットワークの現状とその広がりについて、取締役 事業開発担当の長谷川 聡氏にお話を伺ってみた。
──今ホームネットワークというものが、AV製品訴求の中であまり目立たなくなってきているように思うんですが。
長谷川氏: 「デジタルレコーダみたいなものって、今まではマニアのものだったわけですね。ところが次第にコモディティ化していく中で、操作性のようなすぐにでも解決しなきゃいけない問題が出てきている。その中での付加価値というところでは、ホームネットワークはプライオリティは低いのかな、と思います。特にテレビのようなメインストリームの製品に機能を入れるときって、ある程度枯れてからでいいとか、お客さんがちゃんと使えるようになってからとか、非常に慎重ですね」
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