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スタンダードなスペックは“優等生”の証――キヤノン「IXY DIGITAL 60」レビュー(3/5 ページ)

» 2005年09月12日 06時27分 公開
[小山安博,ITmedia]

さっと取り出し、さっと撮る

 映像エンジンには、デジタル一眼レフカメラ「EOSシリーズ」でも使われているDIGIC IIを搭載。快適なレスポンスには定評があり、1.3秒の起動時間、高速なAF、約2.1コマ/秒・カード容量いっぱいまでの連写など、ストレスのない撮影が可能。

photo 本体上部には電源ボタンとズームレバー一体型のシャッターボタン。光学ファインダーは少しレンズの光軸とずれているが、ボディのほぼ中央に配置されている

 レンズは、非球面レンズ「UAレンズ」2枚を含む5群6枚構成の光学3倍ズームレンズを搭載。焦点距離は35〜105ミリ(35ミリ判換算時)、F値はF2.8〜F4.9となっており、このあたりのスペックはこのクラスでは平均的だ。

 撮影距離は、通常時でレンズ先端から30センチ〜∞。マクロ撮影時はワイド端で3〜50センチ、テレ端で30〜50センチ。3センチまで寄れるので、一般的な用途では十分だろう。

 マクロでは、「デジタルマクロ」機能も用意。これはワイド端でのマクロ撮影時に、さらにデジタルズームで被写体を拡大撮影できる機能。原理的には、マクロ撮影したものをリサイズし、さらに拡大したもので、画質は落ちるが、手軽に被写体をさらにクローズアップしたい場合に使えるだろう。

 撮影モードとしては、オートかマニュアルがメインになる。オートでは画質/画像サイズしか変更できず、露出補正やISO感度すら変更できないので、個人的にはマニュアルでの撮影がお勧めだ。

 各シーンモードの場合、オートに比べて露出補正が選択できるようになる。そのほかは色味の違いなど、カメラが自動的に設定してくれる。ISO感度はオートに固定になるようだ。

 マニュアル撮影時、露出補正/ホワイトバランス/ISO感度という基本的な撮影設定が変更できる。露出補正とホワイトバランスはファンクションボタンから設定する。設定してファンクションボタンを押さずに撮影すると、その時の設定が確定され、さらに撮影後にはすぐに設定画面が表示されるので、さまざまなパターンで撮影するときに便利だ。

 ちなみに露出補正は±2段・1/3段ステップ、ホワイトバランスはTTLオート、プリセット(太陽光/くもり/電球/蛍光灯/蛍光灯H)、マニュアル、ISO感度はオート、ISO50/100/200/400から設定できる。シャッタースピードは選べないが、15秒〜1/1500秒で、1.3秒以上の場合はノイズリダクション処理が働く。

 新たな機能として、手ブレしやすいシャッタースピードの場合に、手ブレ警告アイコンとシャッタースピードが表示されるようになった。個人的にはシャッターを半押ししてからでもいいので、常時シャッタースピードと絞りが表示されるとうれしいが、とりあえず手ブレしそうなときにシャッタースピードが表示されるのはありがたいポイントだ。

 撮影に関しては、さっと取り出し、さっと撮るという、このクラスに求められる簡単操作を実現。ズーミング、AF速度、撮影間隔など、テンポのよい撮影を可能にする快適なレスポンスも備えている。

 動画撮影機能も充実しており、640×480ピクセル・30fpsのテレビ並みの動画に加え、320×240ピクセルながら、60fpsという非常になめらかな動画を撮影することもできる。動きの速いシーンの撮影に有効だろう。

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