コンパクトデジカメの一大ブランド、キヤノンの「IXY DIGITAL」の新製品「IXY DIGITAL 700」「IXY DIGITAL 60」は、コンパクトデジカメとして最近主流のスペックである2.5インチ液晶をようやく搭載してきた、“コンパクトデジカメの定番”的モデルだ。
その中でも、有効画素数500万画素のCCDを搭載したIXY DIGITAL 60は、キヤノンらしいバランスの取れた高画質、高品位な外観、使い勝手のいい操作性と、王道コンパクトデジカメにふさわしい機能を揃えてきた。
兄弟機のIXY DIGITAL 700と比べると、細かな違いもあるが、大きく撮像素子の違いで区別できる。700が1/1.8インチ有効画素数710万画素CCD、60が1/2.5インチ有効画素数500万画素CCDを搭載しており、60の方がメインストリーム向けで、より気軽に撮影できる製品だ。
前述の通り、今回レビューするIXY DIGITAL 60と兄弟機の700は、キヤノンのコンパクトデジカメとしては初めて2.5インチ液晶を搭載してきた。ほかのメーカーはすでにコンパクトで2.5インチ液晶の搭載を実現しており、カシオ計算機は2.7インチ、三洋電機は3インチの液晶まで積んできているのだから、「遅まきながら」という言い方もできるだろう。
それでも、他メーカーとの違いは、2.5インチ液晶を採用しながらも光学ファインダーを残した点が挙げられる。一眼レフとは異なり、コンパクトデジカメで光学ファインダーを常用する人はまれだろうが、直射日光で液晶モニターが見にくい場合などで、ファインダーがあると助かる場面もある。このあたりはキヤノンのこだわりとして好感が持てる。
初の2.5インチ液晶は、画素数は約11.5万画素と標準的で、視野角や色の再現性などは、同クラスの他社製品と比べても特に見劣りはしない印象。特に、従来製品に比べ、視野角は上下左右とも1.5倍に広げたらしい。
2.5インチになったことで、撮影設定を変更すると、一瞬アイコンが大きく表示されるアニメーションやグリッドライン表示など、大画面を生かした工夫も盛り込んでいるようだ。
従来のIXY DIGITALシリーズが最大でも2インチ止まりだったので、液晶の大型化はありがたい。構図の設定、撮影画像の確認といったほかに、人と一緒に画像を見る場合などでも、液晶は大きければ大きいほどいい。
もちろん、消費電力やサイズなど、液晶は一概に大きくすればすべていいわけではないが、現時点では2.5インチが採用例も多く、最もバランスが良さそうだ。もともと人気の高いIXY DIGITALシリーズだけに、2.5インチ液晶の搭載は訴求ポイントとして大きいだろう。
それでいて、サイズが前モデルのIXY DIGITAL 55とほぼ同等サイズを実現しているのもいい。本体サイズは86(幅)×53.5(高さ)×21.6(奥行き)ミリ、約140グラムで、高さで0.5ミリ、奥行きで0.9ミリ、重さで10グラムほど大きくなっているものの、わずかな違いだ。
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