日本ビクターのブースは、先日発表されたばかりの液晶EXEの新シリーズやフルHD対応リアプロTV「ビッグスクリーンエクゼ」など大画面フラットテレビ新製品群に加え、愛・地球博のスーパーハイビジョンシアター(NHK)で使用された「4K2K D-ILAプロジェクター」を2台使ったドームシアターを展開するなど、映像製品を中心とした展示を行っている。
既に発表済みの製品・技術の展示が多いが、よーく探してみるとこのCEATECで初披露の製品が何気なく展示されている。
HDDビデオカメラ“Everio”を紹介するコーナーには、新製品の「GZ-MG70/50/40」の展示とともにスタイリッシュなボディが目を引く見慣れないモデルが紹介されている。
この参考出展は、内蔵HDDにハイビジョン映像の録画を可能にする“ハイビジョンEverio”。製品にかなり近い感じの外観だが、実際にはモックアップのみのデザインコンセプトモデルだ。
「ハイビジョン録画ができるEverioのコンセプトをカタチしたもの。ハイビジョンの解像度も、1080iにするか、720pにするかを現在検討している段階。映像コーデックは従来のEverioと同様にMPEG-2を採用するということは、ほぼ決まっている」(同社)
「HDDなので、HDVフォーマットに従わなくてもいいのだが、仮にHDV規格の25Mbpsというビットレートでハイビジョン映像を記録したとしても、30GバイトのHDDに約2.5時間も録画できる。HDDのメリットを生かして、もっと高いビットレートで高画質に保存することだって可能。内蔵HDDは1.8インチタイプを使うが、この大きさでは80Gバイトまでが実用化段階にきている。製品化の時期は未定だが、ハイビジョンへの要望が高まっている今の時期からあまり遠くならないようにしたい」(同社)
液晶のバックライトに色再現性の高いLEDを使った「LEDバックライト液晶テレビ」も、同社ブースで参考出展されていた。
LEDバックライトといえば、ソニーのQUALIA 005がすでに商品化されているが、同社のそれは、LEDに加えて冒頭の液晶EXEにも採用された独自高速応答液晶ドライバー技術に“超”をつけて搭載。この「超・高速応答液晶ドライバー」によって液晶テレビの弱点であった「速い動きの映像」を残像感なくクッキリと表示できるという。これにLEDバックライトを組み合わせることで、ブラウン管のような応答性と豊かな色再現が可能になるという“おいしい”テクノロジーだ。
「課題はLEDのコスト。現時点ではLEDだけで10万円以上かかってしまい、価格面で実用化が厳しい。消費電力も蛍光管採用の従来タイプに比べて2倍で、放熱対策も必要。それでも、薄型の液晶テレビでブラウン管並みの画質を求めるニーズはあると思う」(同社)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR