液晶とホームネットワークを中心にしたのがシャープブース。液晶テレビの「AQUOS」を中心とし、さらに新製品となるAVセンターパソコン「メビウス」シリーズなどを展示している。
来場者の注目を集めていたのが、1つの液晶で、同時に2つの映像を表示できるデュアルビュー液晶。これは、同社の3D液晶でも利用されている「視差バリア」を使った製品。
視差バリアは、垂直のスリットを設けてバックライトを遮り、左右の目に異なる光を送ることで映像を立体的に見せる、視差を利用した立体映像の仕組み。今回はこれを応用、液晶の左右の位置で全く異なる映像を表示することに成功した。
これを使うことで、液晶の中心から見て右側にいる人は野球中継、左側にいる人はサッカー中継というように、チャンネル争いをせず、2つの映像を視聴できる。
ただし、問題になるのが「音声」。現時点では片方の音声しか出すことができず、そうした意味ではテレビ放送を完全に視聴することは難しい。また、スリットで光を遮るため、解像度自体は半分になり、デモで使われているフルHDパネルの場合、片側で横960ピクセルの解像度しか出せない。これらのことから、現時点では液晶テレビの「AQUOS」ブランドは冠せられない、と説明員は言う。
それでも、デモではレーシングゲームを使い、片方が正面から、もう片方は背後から見た映像を表示していたほか、音声だけ同じで内容が異なるドラマ仕立てのストーリーを流すなど、デュアルビュー液晶の特性を生かした面白い使い方を提案していた。
これを応用した製品として、すでに富士通テンがカーナビゲーションシステムとして製品化、11月から販売を開始する。これは、運転手側と助手席側で異なった映像を表示でき、運転手にはカーナビ画面を、助手席側にはテレビ/DVDの映像を表示させる、といった使い方ができる。
もう一つの注目が100万:1という高コントラスト比を実現した「メガコントラスト液晶」。ブラウン管や有機ELなどを超えるコントラスト比であり、放送現場のマスターディスプレイとしての利用を想定している。
100万:1といえば「闇夜のカラスも見分けられる」(同社)というレベルで、特に暗所で高いコントラスト比を実感できる。
業務用のために価格は一般的な液晶よりも跳ね上がりそうだが、基本的に民生用にこの液晶を転用する考えはないようだ。
ブースでは、上記のデュアルビュー液晶とともにデモ展示、来場者の注目を集めていた。
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