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カードボディのスゴイヤツ――MDからの移行にも最適「SV-SD750V」レビュー(2/3 ページ)

» 2005年10月25日 15時46分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 充電池スロットには、ふたを開けたときにセットした電池が“スルッ”と抜け出さないように樹脂製の小さなストッパーが設けられている。こうした細やかな気遣いはポータブルオーディオ製品を多く手がけている同社ならでは。SV-SD750Vには単三形電池を利用することで駆動時間を延長できる外付けのバッテリーパックが標準で付属しているが、あまりにも素っ気ないデザインで本体とのバランスも悪い。

photo このストッパーがあるおかげで、万が一、充電池のふたが空いてしまっても電池がスルッと飛び出てしまうことはない
photo バッテリーパック接続時

楽曲転送には「SD-Jukebox」が不可欠

 再生可能な音楽ファイルの形式はSD-Audioのみ。SD-AudioはSDメモリーカードの規格に定められている音楽データ用のフォーマットで、コーデックとしてはAAC、MP3、WMAに対応している。

 本製品はUSBマスストレージクラスに対応しているので、WindowsのエクスプローラからセットしたSDメモリーカードが確認できるが、.MP3や.WMAなどの曲データをドラッグ&ドロップしても再生することはできず、楽曲の転送には付属する「SD-Jukebox Ver.5.0 LE」を利用する必要がある。

 なお、SDメモリーカードへの楽曲転送には、本製品をUSBで接続するほか、著作権保護機能に対応したカードリーダ/ライタ(松下電器産業製のBN-SDCGP3など)を利用するという方法もある(関連記事)

photo SD-Jukebox Ver.5.0 LE
photo Windowsのエクスプローラから本製品が「リムーバブルディスク」として確認できるが、ドラッグ&ドロップしたデータを再生することはできない

 SD-Jukebox Ver.5.0 LEはSDV-SD100Vに付属したバージョンと同じで、CDからのリッピングや、HDD内に収納されている音楽ファイルのSD-Audio形式へのインポート、プレイリストの作成機能などを備えている。画面下には接続されたポータブルオーディオプレーヤー(SDメモリーカード)への転送を行うインタフェースも用意されている。

photo 「strat」ボタンを押すだけで接続したポータブルオーディオプレーヤー(にセットしたSDメモリーカード)への転送が行える

 曲のテンポやリズムをソフトが自動判別して“印象マップ”に整理し、プレイリストを自動作成してくれる「ミュージックソムリエ」も搭載されている。ミュージックソムリエがデフォルトでもっている「曲の印象」は「ウキウキ系」「騒ぎたい感じ」「ポップ系」「切ない感じ」「癒し系」「ノリノリ系」「ゆったり系」の7つだが、自分で代表曲とキーワードを指定して「○○系」というプレイリストを作成することも可能だ。

photo 印象マップ

シンプルで好感の持てる操作性――楽曲管理はプレイリスト/カード単位で

 楽曲の転送が完了すれば、本製品で音楽が楽しめる。タッチスライドパネルの中央にある「再生/停止」ボタンを押して電源を入れ、「MODE」ボタンを押すと「モード選択」、2回押すと音楽再生に関するメニューである「オーディオ」メニューが表示される。アーティスト名やアルバム名からも楽曲を選択する事もできるが、「マーク登録曲」「印象」といった本製品ならではの項目から楽曲を選択することもできる。

photo SV-SD750VはMODEボタンを1回押すと「モード選択」、2回押すと「オーディオモードメニュー」となるが、ラジオ機能が搭載されていないSV-SD700の場合、1回押すだけで「オーディオモードメニュー」となる

 再生中には液晶画面にプレイリスト名やアーティスト/アルバム名、経過時間などが表示される。液晶はiPod nanoのようなカラーではなくモノクロだが、視認性も高く、利用の際に問題を感じることはなかった。ただ、使用されているフォントはかなり細めなので、文字の感じについては好みが分かれるかもしれない。

photo 再生中の画面

 操作はタッチスライドパネルから行い、十字型のパネルの頂点から時計回りに、音量アップ、早送り、音量ダウン、早戻し、中央に再生/停止の各操作が割り振られている。これらの操作はパネル上のマークからもほぼ一目瞭然であり、少し触っていれば説明書を読まなくても操作できるようになるはず。シンプルで好感の持てるインタフェースだが、タッチスライドパネルとヘッドフォンジャックがいずれも本体右側に用意されているため、操作時にヘッドフォンのケーブルを煩わしく感じることもあった。

photo 右手で操作しようとすると、ヘッドフォンケーブルが気になる

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