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オリコン、無料のランキング番組――“黒船”iTMSも追い風

» 2005年10月26日 19時10分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 オリコンは10月26日、Webサイト「ORICON STYLE」をリニューアルし、独自で編集した音楽番組など、動画や音声の無料ストリーミング配信を本格化させる。iPodやiTunes Music Storeの成功を受けてネット活用に一段と前向きになった国内音楽業界と強力なタッグを組み、“最高の音楽番組”を作るとしている。

photo 「最高の音楽番組を作りたい」とオリコンの小池恒社長

 ランキング40位までの楽曲を紹介するストリーミング番組「ORICON TOP 40」を新設。ランクインしたほとんどのアーティストの楽曲の一部を配信できるという。

 アーティストのプロモーションビデオやインタビュー映像を収録する5分間の映像番組「ORICON TOP 20」は、ランクインしたアーティストの8割からコンテンツ提供を受けられる予定。これまでは5割程度にとどまっていた。

photo 韓国の若者向け音楽番組「キム・ユンアのミュージック・ウェーブ」

 韓国の若者向け音楽番組を再編集した番組や、新人お笑いタレントのライブ映像も公開する。

 ニュースコンテンツも強化。音楽やエンターテインメントだけでなく、海外情報やスポーツニュースもコンテンツに加える。アーティストブログやニュースはRSS配信に対応。gooと連携した検索機能も強化したほか、マッチングサイト「Match.com」も組み込み、共通の趣味を持つ友人と出会える機能も備えた。

 コンテンツを頻繁に更新することでユーザーを集め、2006年3月には、月間ユニークユーザー数を現在の214万から1000万に増やしたい考えだ。

photo ロゴもリニューアルした

iTMSが音楽業界を“開国”

 「音楽コンテンツのネット配信は権利処理が難しい。ランキング上位に入る作品は、特に配信が困難だった」とオリコンの小池恒社長は言う。しかし、ここ数ヶ月でレーベルや事務所などがネットを使ったプロモーションに積極的になり始めたという。近いうちに、ランキング上位の作品ほとんどで、プロモーション映像や音声を配信できる見通しだ。

 小池社長は、音楽業界がネット配信に力を入れ始めた背景に、iPodの力を感じているという。「PCと音楽流通の関係が、iPodの登場で意識付けられた」(小池社長)。4日間で100万ダウンロードを達成したiTunes Music Storeの成功も、業界がPCやネット活用に一段と腰を入れるきっかけになったようだ。

 ORICON STYLEは、まずはストリーミングでコンテンツを配信するが、近い将来、ダウンロード型番組を提供する可能性もあるという。小池社長は「年内には権利処理の仕組みやビジネスモデルが整備され、ダウンロード型の動画配信も可能になりそう」と見通しを示す。携帯電話向けの動画配信も年内には可能になりそうという。

 「1曲でも多くのヒット曲を生むのがオリコンの役割」と小池社長は話し、CDや着うたなどのプロモーション媒体としての役割を引き受ける。このスタンスは、ヤフーの無料音楽配信「Yahoo!サウンドステーション」と同じだ。

 「邦楽のメインリスナーである若年層の人口が減り続ける中、メディアとの接触時間で唯一伸びているのがインターネット」(小池社長)――国内音楽業界の、ネット配信への“開国”は進みそうだ。

photo 会見には新人アーティストの「AAA」も登場

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