据置型のDVDプレーヤーは、すでにほとんどの家庭に浸透した。レンタルビデオで扱われるメディアも、主役はテープからDVDへと変わってきている。一方、少し前にレビュー特集で紹介したポータブルDVDプレーヤーは、まだまだメジャーな存在ではないものの、徐々に注目を集めつつあるのは確かだろう。
ポータブルDVDプレーヤーを購入する目的としては、第一に、外出先でのDVDビデオ観賞が挙げられる。つまり、電車・飛行機・自動車での移動中、あるいは、出張時に宿泊先で使用するケースだ。もちろん、これ以外に、“自分の部屋でパーソナルにDVD再生を楽しむために”という人もいるだろう。しかし、その割合は少なく、しかも、これからポータブルDVDプレーヤーが広く普及するためには、やはり、外出先でのビデオ鑑賞というスタイルが、まず一般的にならねばならない。
とはいえ、外に出ているときまで、映像を眺める必要があるのだろうか。個人的にも否と感じてしまうが、それでも可能性がないわけではない。たとえば、ソニーのウォークマンが登場するまでは、外出先で音楽を聴く必然性を感じていた人はごくわずかだったはず。しかし、いまではどうだろう?
いずれにせよ、ポータブルDVDプレーヤーに最も求められる点は、モビリティであることは間違いない。つまり、持ち運ぶには小さければ小さいほど、軽ければ軽いほど好都合だ。しかし実際には、そう単純にはいかない。ポータブルDVDプレーヤーの最重要パーツともいえる“液晶ディスプレイ”と“バッテリー”が絡んでくるからだ。本体をコンパクトにするためには、表示部を小さくせざるを得ないし、軽量化したいならバッテリー容量を抑える必要も生じる。
今回試用した製品の平均的なサイズは、奥行き150ミリ、高さ30ミリ前後というものが多かった。本体幅はもちろん画面サイズに依存し、概ね150〜250ミリの間で分布している。搭載する液晶はワイド7〜9型TFTが一般的で、最小はエバーグリーン「DN-TF-DVD500」の3.5型(しかも4:3画面)、最大はamadana「VP-110」のワイド10.2型だ。画素数は480×234がほとんどで、例外は三洋電機「DVD-HP62」の400×234、および、BLUEDOT「BDP-1930」やamadana「VP-110」の800×480となる。
バッテリーでの連続再生時間は、たいていは2〜3時間程度。例外として、松下電器産業「DVD-LX95」やamadana「VP-110」(内蔵バッテリーに加え、付属のサブバッテリーを装着した場合)は、5時間以上持ってくれる。ただし、その分、バッテリー込みの本体重量は1キロを大きく超えてしまう。
ポータブルDVD特集の製品レビュー第1弾は、東芝のポータロウ「SD-P1600」。小型・軽量を特徴としつつ、実売で3万円弱で入手可能なプレーヤーだ。その使い心地をじっくりチェックしてみた。
CPRMディスクまで再生できる幅広いメディア対応、豊富な付加機能、そしてしっかりしたDVD基本再生性能――。松下のポータブルDVD「DVD-LX95」は、ライバル機よりも少々お高いが満足度は上々だ。
片手サイズの小型軽量ボディにバッテリーまで内蔵した三洋電機のポータブルDVD“ムービッシュ”「DVD-HP62」。機能/操作性で作りこみの甘さもあるが、3万円前後という手軽なプライスとコンパクト&シンプルにまとめられたボディの魅力は大きい。
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