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» 2005年10月31日 23時46分 公開

CEATECでわかった映像のトレンド麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」(3/4 ページ)

[西坂真人,ITmedia]

――100万:1という高いコントラストがメガコントラストの特徴ですが、シャープは民生用ではなく特定用途向けを強調していましたよね?

麻倉氏: そうですね。民生用ではないと意地になって(笑)主張していましたが、開発した技術の一部はおそらく民生用にも生かされることでしょう。大画面になってきたときの黒レベルの問題は、民生用でも大きな問題だからです。この技術を民生用に生かせば、暗所コントラストに優れたテレビが液晶でも可能になるかもしれません。

photo シャープブースで展示された「メガコントラスト液晶」

 メガコントラストのもう1つの特徴は、黒が沈んでいるとともに白ピークがあること。白ピークが出るというのはブラウン管の良さだったのですが、その良さが画素型テレビの時代になってピタっとなくなってしまいました。メガネがきらっと輝く、瞳の奥がきらめくという表現などは、特に全白と白ピークが同じになってしまう液晶では難しく、そのピーク感のなさが液晶の欠点であると、私はずっと訴えてきました。

 しかしメガコントラストは、ピークの塊のような表現力がありました。単に黒が沈んでいるのはなくピーク感も表現可能ということは、エモーショナルなものまで再現できるのではという可能性も抱かせてくれます。ただしそうなると、今度は「液晶」ならではのというか、いかにも液晶的な映像の質感がすごく気になります。それは良い意味でも悪い意味でも、です。となると、ソリューションが完了したあとは、まさにそのデバイスならではの「表現性」で勝負する時代が来るのでしょう。それはプラズマ・テレビにも当てはまることです。

 そのほか、CEATECやFPD Internationalの会場では、応答速度が4ミリ秒という高速タイプや広視野角タイプなどが紹介されており、液晶は個別の課題(欠点)に対して、かなり改善してきているなという印象を受けました。

着実に進化している「SED」

――今年のCEATECも「SED」が話題の中心でしたね。

麻倉氏: 昨年10月のCEATEC、今年4月のDisplay 2005、そして今年のCEATECと、国内では3回の展示会でSEDが披露されたのですが、どの会場でも最高の人気を誇っていました。昨年CEATECや今年のDisplay 2005までは入場人数を制限してのミニシアター的な展示方法だったので、見るための整理券獲得に長蛇の列を並ばなければいけないなど大変でしたが、今年はオープンスペースで比較を実施。人の流れは比較的スムーズでしたが、それでも常に満員状態でした。

photo

――SEDの展示に変化はありましたか?

麻倉氏: 今年は初めて、来年発売される55インチのモックアップを展示していました。そして36インチは合計14台展示してありました。昨年は2台でした。SEDは生産が難しくて均一な製品作りは難しいのではと言われていましたが、今回14台の36インチの映像はどれも非常に均一性が取れていて、しかも明るい映像になっていました。昨年は暗いシアター内での比較だったですが、今回は明るい照明下での比較で、しかも液晶やプラズマだけでなくブラウン管との比較を行っていました。そして昨年は近づくと暗部にノイズが見えましたが、今回の展示品はS/Nも改善されています。それを考えると、一時期懸念されていた生産問題もクリアして、着実に開発が進んでいるのが分かります。

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