NECビューテクノロジーのDLPプロジェクターとしては、別記事でミラー投写型プロジェクター「WT615J」を紹介した。大小4枚の非球面ミラーを組み合わせ、超短焦点投写を実現した個性的な製品だが、同社ではこのほかにも多彩なプロジェクターを提供している。
その幅は実に広く、ハイエンド製品には、ホールやイベント会場を対象とした高輝度・高精細DLPプロジェクター「HL12000HD」や、映写用途向けのDLPシネマプロジェクター「iS8-2K」、さらには博覧会やフェアでのインフォメーション用途などに適した100型DLPリアプロジェクター「HL-100R8000R」まで取り揃えている。
当然ながら、ビジネス向けプロジェクターも数多く発売しており、IEEE802.11b/g準拠の無線LAN機能を搭載したワイヤレスプロジェクター「LT245J」や、A5サイズ以下・質量約1キロという超小型モバイルプロジェクター「LT20J」がラインアップ済みだ。
もちろん、それでもすべてを網羅していたわけではない。今回、同社から新たに発表されたDLPプロジェクターは、このラインアップを強固に補完しうる存在だ。新製品は3機種で、外見や基本機能はすべて同じだが、出力輝度が異なり、3000ルーメンの「LT35J」、2600ルーメンの「LT30J」、2200ルーメンの「LT25J」が用意されている。コントラスト比は、「LT35J」と「LT30J」が1600:1、「LT25J」のみ1500:1だ。
いずれも、本体は260×208.5×89ミリ、質量は約2キロ。この質量で2000ルーメン以上の高輝度を実現したプロジェクターには、各社とも力を入れており、実際、ビジネス/教育分野では売れ筋のレンジとなっている。もちろん、より小型軽量のモバイルプロジェクターも数多く存在するが、輝度を始めとする性能にまったく妥協することなく、本体が約2キロという重さに収められるのなら、そちらを選択するという購入者が多いのだろう。
つまり、「LT35J」「LT30J」「LT25J」は会議室などでメインのプロジェクターとして利用可能なほどの高性能を有するとともに、状況に応じて、社内のほかの場所へ、あるいは、いざとなったら社外へも持ち出せる軽さも兼ね備えているわけだ。本体と添付品を収納可能なソフトケースも付属しているため、移動も容易だ。また、学校用途では、一般教室の明るい環境でも見やすい程度の高輝度が確保され、しかも、教室から教室への移動も難なく可能という点で、導入しやすい製品といえる。
本体は光沢のあるホワイトで覆われ、全体に丸みを帯びた形状だ。これは単に親しみやすい印象を与えているだけでなく、ソフトケースへの出し入れのしやすさにもつながっている。
つまり、さっと取り出して、さっと片付けられるわけだが、その扱いやすさに貢献しているのは、実は本体形状だけではない。真のキモは機能面にある。
まず、「設置」を簡単にしてくれるオートフォーカス。本体の電源を入れた際に、特にボタンやリモコンを操作しなくても、レンズの下に内蔵された赤外線センサーにより、自動的にフォーカス調整を開始してくれる。さらに、電源投入時だけでなく、投写中に本体を前後に移動した場合にも、フォーカスは自動的に追従する。もちろん、ズームレバー操作時も同様だ。有効距離は1.4〜5.5メートルと余裕のある範囲を確保しており、また、反応速度もなかなかのもの。
さらに、ビジネスプロジェクターでは常に万全の設置環境を確保できるわけではなく、やや上向きに置かざるをえない場合も多いため、台形歪補正は必須機能だ。これに関しても、ユーザーの手をわずらわせることはなく、内蔵チルトフットで高さだけ調整してやれば、加速度センサーにより、本体の傾きが検出され、自動的にタテ台形歪補正が行われる。
これらの機能により、ユーザーは電源を入れて、とりあえず投写したい位置へレンズを向けてやれば、あとは勝手に、ピントや傾き補正がきちんと調整された状態となるわけだ。
また、クイックパワーオフ機能が搭載されているため、「片付け」も容易かつ迅速に行える。通常のプロジェクターでは、本体のボタン、またはリモコンで電源をオフにすると、冷却ファンが回り続け、完全に停止するまでにある程度の時間を要するが、「LT35J」「LT30J」「LT25J」は冷却ファンが回っている間でも電源ケーブルを抜いてしまってかまわない。本体の冷却構造の見直しや、熱対策により、実現できたという。
入力はアナログRGB(ミニD-sub15ピン)、S映像、コンポジット映像のほか、別売のアダプタを利用すれば、コンポーネント映像入力にも対応する。投写される映像はDLPらしく、特に文字はくっきりと浮かび上がる。1500ルーメンの超小型モバイルプロジェクター「LT20J」でも必要十分な明るさを提供してくれるが、3000ルーメンという高輝度を実現した「LT35J」はやはり格別だ。照明を落とす必要はほぼないだろう。また、この製品ではランプモードの切替も容易に行えるようになった。リモコン上に独立した「LAMP MODE」ボタンが用意されているため、設定画面をワンタッチで素早く呼び出せるのだ。
ランプモードは通常「ノーマルモード」だが、「エコモード」にすると、やや明るさが下がるものの、ファン回転音が小さくなる。明るさ・動作音ともに、極端に大きな差があるわけではないが、ワンボタンで切替可能なので、画面を見てほしいときには「ノーマルモード」、話を聞いてほしい場面では「エコモード」といった使い方にも対応できる。
また、PC側のUSB端子に接続すると、この製品のリモコンでマウス操作が行えるマウスレシーバーも付属。リモコンの十字方向ボタンでカーソル移動が可能なほか、右クリック、左クリックはもちろん、PAGE UP/DOWNに相当するボタンも装備されている。
NECのデータプロジェクターでは、壁色補正の設定が豊富なため、スクリーンが設置できない場合でも、黒板や着色された壁など、投写対象を選ばない点も大きな特徴といえる。用意されている壁色補正は、黒板、黒板(グレー)、ライトイエロー、ライトグリーン、ライトブルー、スカイブルー、ライトローズ、ピンクの8種類だ。もちろん、それでも黒板などへの投写時は色合いがやや不明瞭になるが、高輝度・高コントラストにより、実用上問題のないレベルは確保している。
これら高い性能や充実した機能で、設置環境を選ばず、いざとなれば、2キロの軽量ボディを生かして楽に移動も可能。さらに、設置や片付けを迅速にすませられる工夫も凝らされた。このNECの新型DLPプロジェクター「LT35J」「LT30J」「LT25J」は、まさしく“どこでも簡単に使える”べく仕上げられた製品といえるだろう。
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提供:NECビューテクノロジー株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年11月30日
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