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HDDという母艦を備えたSDミニコンポ――「SC-SX800」レビュー(2/3 ページ)

» 2005年11月14日 17時40分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 本体のHDDには出荷段階でもかなりの数の曲データが収納されており、ネットワーク接続のない環境でもかなりの確率でアーティスト名/アルバム名/曲名を正しく引き出してくれる(映画“ブレードランナー”のサントラもしっかり認識された)。もちろん、ネットワーク接続環境がととのっていればインターネット上のGracenote CDDBサーバが利用できるので、新譜の認識も問題ない。

photo CDをセットするだけで自動的にGracenote CDDBへアクセスする

 標準状態ではHDDへの録音形式はリニアPCMだが、変更も可能だ。「設定」―「システム設置」―「HDD設定」―「HDD録音設定」からリニアPCM以外にも、AAC(XP)/AAC(SP)/AAC(LP)が選択できる。XP/SP/LPの違いはビットレートで、それぞれ128kbps/96kbps/64kbpsとなっている。

photo 録音設定の画面。標準設定ではCD録音はPCM、それ以外のソースはAACとなっている

 最大8倍速録音をうたうだけであって、「高速録音」を利用したCDからの録音は非常に速い。48分21秒のアルバムで試してみたところ、約6分30秒で録音が完了した。しかし、「高速録音+SD転送」の場合はAACへのエンコードを同時に行うため、実時間の2/3程度の時間が必要だった。

 また、本製品はCDからの録音形式にAACを選択している場合でも、いったんリニアPCMでの録音を行う。その後に設定したビットレートでエンコードする仕組みになっており、スタンバイ時にリニアPCM→AACへのエンコードが行われる。

 CD-R/RWに記録したMP3/WMAのファイルを本製品のHDDに録音することも可能だ。アナログ録音となるため、リニアPCMでの録音ができないほか、高速録音も行えない。ディスク全体のほか、特定のアルバム(フォルダ)だけを録音することも可能で、ディスクに記録されたタグ情報もそのまま引き継がれる。

 本製品でサポートされているCDは音楽CD(CD-DA)とCD-R/RWのみだが、セキュアCDの「A Bigger Bang」(THE ROLLING STONES)と、レーベルゲートCD2の「Tommy airline」」(Tommy february6)も試してみたところ問題なく認識され、HDDへのリッピングが行えた。

 そのほか、AM/FMラジオや外部入力からの録音も行える。外部入力からの録音については自動分割機能も備えており、5分/10分/オート(無音部分を検知して自動分割)/オフの設定が行える。いずれも録音形式はAACのみ。なお、SDメモリーカードからの録音には対応していない。

操作インタフェースは「家電」――HDD搭載で真価を発揮する“ソムリエ”

 録音ボタンが独立しているおかげもあり、全体的な操作性は良好だ。HDD/CD/SDメモリーカードの再生/停止ボタンはそれぞれ独立しており、どのメディアから再生を開始する際にも迷うことはない。

 しかし、すべての操作項目が用意されたメインメニューに相当する画面はなく、「トップメニュー」ボタンを押すと、現在操作している機器(HDD/CD/SDメモリーカード)に応じた画面が表示されるようになっている。

photo HDD内の楽曲を再生している最中に「トップメニュー」を押すとこの画面になる。

 PCやポータブルオーディオなどの操作に慣れていると、「トップメニュー」ボタンを押すとすべての項目にアクセスできるメニューが現れると思いがちだが(少なくとも筆者はそうだった)、実際に本製品を利用してみるとこの操作インタフェースでも十分に快適な操作が行えた。その理由はリモコンだ。

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