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HDDという母艦を備えたSDミニコンポ――「SC-SX800」レビュー(1/3 ページ)

» 2005年11月14日 17時40分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 松下電器産業のオーディオシステム“D-Dock(ディー・ドック)”「SC-SX800」は、HDDとSDカードスロットを備えたミニコンポ。HDDを内蔵した家庭用オーディオとしてはソニーの「NAS-A10」(レビュー)やボーズの「Lifestyle 48」(レビュー)などがあるが、SDカードスロットも搭載する製は世界初(同社)だという。

 本製品は同時に発表されたカードタイプのポータブルオーディオプレーヤー「SV-SD750V」(レビュー)とあわせて、SDメモリーカードを中心に据えた“PCいらず”の環境を推進している同社の目玉商品ともいえる。HDDとカードスロットを搭載したことで音楽の“母艦”として機能する本製品の実用度を検証してみたい。なお、レビューに用いた製品は試作品であることをお断りしておく。

photo CDとHDDを内蔵したセンターユニットとスピーカー2本という構成の「SC-SX800」

 この「SC-SX800」はセンターユニット+スピーカーという、きわめてシンプルな構成。センターユニットにはCDドライブとSDメモリーカードスロットを搭載するほか、LAN端子(100BASE-TX/10BASE-T)も備えており、Gracenote CDDBを利用した楽曲/アルバム名の自動取得サービスも利用できる。内蔵するHDDの容量は80Gバイトだが、40GバイトのHDDを搭載する「SC-SX400」も用意されている。

photo 背面にはLAN端子のほか、アナログのラインイン/アウト端子も備える
photo CDドライブは一般的なトレイ式
photo CDイジェクトボタンの上にはSDメモリーカードスロット

 センターユニットのサイズは185(幅)×150(高さ)×268(奥行き)ミリ・約3.8キロ。一般的なミニコンポのサイズなので、設置場所に困ることはそうないだろう。ただ、実際に設置してみて戸惑ったのが、電源コードがセンターユニット側ではなく左スピーカーに差し込む方式になっている点。電力は、左スピーカーからシステムケーブルを通じてセンターユニットへ供給される仕組みなのだ。

photo 電源は左スピーカーの背面から入力され、そこからシステムケーブルを通じて本体へ供給される

 本体にはラインアウトも設けられており、AVアンプなどへの出力も可能となっているのだが、電源供給が左スピーカーを経由しないと入力できないために、センターユニットだけをオーディオシステムとして利用できない。将来的なシステムアップを考えると歓迎できない仕様だ。

 付属するスピーカーのサイズは144(幅)×256(高さ)×239(奥行き)ミリ、約4.8キロ(左)/約2.6キロ(右)。濃いブラウンを基調とした仕上げで、質感もなかなか。開封したばかりのスピーカーで音質を評価することは難しいが、小柄な割にはしっかりとした音を聞かせてくれるという印象だ。

photo スピーカー底面には、振動による影響を軽減するスパイク脚やインシュレーターを備える

CDからのリッピング――基本はリニアPCM録音

 本製品でメインとなるのは、やはりHDDを利用したCDからの録音とSDメモリーカードへの書き出しだろう。前面には7行表示が可能な大型液晶と各種の操作ボタンが配置され、CD→HDDへのリッピング、HDD→SDメモリーカードへの転送ボタンも独立して用意されている。

photo 独立して設けられている転送ボタン

 CDからHDDへの録音は簡単。CDをトレイにセットすると自動的にGracenote CDDBへアクセスし、アーティスト名/アルバム名/曲名が表示されるので、そこで録音モードを選ぶだけ。録音モードには最大8倍速で録音を行う「高速録音」、録音と同時にSDメモリーカードへの書き出しも行う「高速録音+SD転送」、「聞きながら録音」の3つが用意されている。

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