1996年に発売されたリコーの「GR1」は、使い勝手のよい広角レンズと高い描写性能で、35ミリ銀塩コンパクトカメラ史上に残る名カメラだった。それから9年、伝説の名機l「GR」の名を冠したコンパクトデジカメ「GR DIGITAL」が登場した。
2004年にドイツで開催されたphotokina 2004で開発が表明され、リコーにしては珍しくじらしにじらしての登場となったGR DIGITAL。GR1と同じ28ミリの広角単焦点レンズ、コンパクトなボディは継承しつつ、デジカメとして生まれ変わったGR DIGITALの実力を見てみよう。
なお、筆者はGR1から始まる銀塩GRシリーズを使用した経験がない。あくまで、デジカメとしてのGR DIGITALの性能をレビューした。
まずはその外観から見てみよう。本体は8メガピクセルのCCDを搭載したモデルとしては非常にコンパクト。本体サイズは107(幅)×25(奥行き)×58(高さ)ミリ、約170グラム(バッテリー/SDメモリーカード/ストラップ含まず)、GR1が117×26.5×61ミリ、178グラム(電池別)だったので、全体的にGR1よりもわずかに小型化している。
本体は薄すぎず、軽すぎず、バランスがいい。首から提げても、ポケットに入れても気軽に持ち歩け、それでいて構えても不安定にならない印象。横長の筐体で、グリップの幅もしっかりと確保されているため構えやすかった。
外観はカメラらしい落ち着いたブラックの筐体で、外装にマグネシウムダイキャストを採用。グリップ部はラバーだが、ボディ全体の質感はよく、持っていて気持ちがいい。グリップの滑り止めも効いていて、全体のバランスもいいため構えも安定する。
前面にはレンズがやや右寄りに配置され、フラッシュはポップアップ式。28ミリという広角レンズを搭載しつつ、フラッシュの位置をレンズから離されており、フラッシュのケラレはないようだ。
グリップ上部には絞り用の前面ダイヤル、本体背面にはシャッタースピード用の背面ダイヤルを装備。上部には電源ボタンとシャッターボタン、モードダイヤルを備える。背面のインタフェースは十字キーとその中央にOKボタンを配置した奇をてらわない分かりやすいもの。十字キーは、上でフラッシュ、下でマクロ、左でクイックレビューが割り当てられている。
さらに十字キーの左上には再生ボタン、左下にはセルフタイマーボタン、右下にはディスプレイボタンが配置される。また、本体右上にはズームボタンがある。GR DIGITALは単焦点レンズなので光学ズームはないが、デジタルズームや拡大再生時などで利用する。
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