三菱電機は11月29日、エアコン「霧ヶ峰“ムーブアイ”」の新シリーズを発表した。最上位モデルの「ZWシリーズ」には、2つの受光素子を内蔵した「Wムーブアイ」を搭載。左右の吹き出し口が独立して動く「Wフラップ」とあわせ、「1台で2台分の空調効果を得られる」(同社)という。
ムーブアイは、左右160度の視野角を持つ非接触型の赤外線センサー。従来のムーブアイが左右の動きだけだったのに対し、今回は前後に2つの受光素子を配置して「前後左右」の床や壁の温度を計測。その測定結果をもとに人の体感温度を割り出し、無駄な冷やしすぎ・暖めすぎをセーブする。
また、吹き出し口が中央を境にして左右独立して動く「Wフラップ」と、気流の流れを妨げない「可変式・ワイドベーン」を搭載し、2つの気流がそれぞれ別の場所を“ねらい打ち”できるようにした。エアコンの風が届く範囲は左右160度、正面から約8メートルまでをカバーする。「流行のワイドリビングのような広い空間でも、人がいるゾーンだけをピンポイントで冷やしたり、暖めたりできる“マルチゾーン空調”が実現した」(同社)。ムーブアイによる自動制御で約30%、また必要なゾーンに絞って送風することで、さらに10%の省エネ効果が期待できるという。
ムーブアイのもう一つの特徴は、室内のニオイ問題を解決する脱臭能力だ。フィルターを使って吸着したニオイ分子にプラズマ放電をかけ、分子結合を破壊するのが従来型の“プラズマ脱臭”。さらに今回は、フィルターにナノオーダーの穴を無数にあけて「畳3000畳分」の表面積を実現したほか、分解を促進する触媒としてプラチナを採用している。「脱臭力は、昨年のモデルに比べて約3倍。約30キロの炭に相当する」(同社)。
このほか、梅雨の時期に便利な「さらっと除湿冷房」、初期性能をキープする洗浄機能「丸ごとクリーンシステム」などを搭載。これまで掃除するのが難しかった送風ファンにも2アクションで手が届く構造として、付着した汚れを簡単にふき取れるようにしている。
新しいムーブアイ「ZWシリーズ」は、冷房能力2.2kWの「MSZ-ZW22T-W/T」から7.1kWの「MSZ-ZW71TS-W」まで計11モデルをラインアップ。価格はすべてオープンプライスだが、ボリュームゾーンの4.0kWタイプ(MSZ-ZW40T-W)で23万円前後になる見込みだ。
なお、一部モデルには、前面パネルを「ステンレス調」「木目調」にしたバージョンを用意。出荷台数限定のプレミアムモデルとして2006年2月下旬に発売する予定だという(価格未定)。
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