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“1台で2台分”の空調効果、三菱の新型「ムーブアイ」登場

» 2005年11月30日 01時07分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 三菱電機は11月29日、エアコン「霧ヶ峰“ムーブアイ”」の新シリーズを発表した。最上位モデルの「ZWシリーズ」には、2つの受光素子を内蔵した「Wムーブアイ」を搭載。左右の吹き出し口が独立して動く「Wフラップ」とあわせ、「1台で2台分の空調効果を得られる」(同社)という。

photo 最上位モデルの「ZWシリーズ」。半円形の溝に沿って動く電球を追いかけて冷風を吹き付けるというデモンストレーション

 ムーブアイは、左右160度の視野角を持つ非接触型の赤外線センサー。従来のムーブアイが左右の動きだけだったのに対し、今回は前後に2つの受光素子を配置して「前後左右」の床や壁の温度を計測。その測定結果をもとに人の体感温度を割り出し、無駄な冷やしすぎ・暖めすぎをセーブする。

 また、吹き出し口が中央を境にして左右独立して動く「Wフラップ」と、気流の流れを妨げない「可変式・ワイドベーン」を搭載し、2つの気流がそれぞれ別の場所を“ねらい打ち”できるようにした。エアコンの風が届く範囲は左右160度、正面から約8メートルまでをカバーする。「流行のワイドリビングのような広い空間でも、人がいるゾーンだけをピンポイントで冷やしたり、暖めたりできる“マルチゾーン空調”が実現した」(同社)。ムーブアイによる自動制御で約30%、また必要なゾーンに絞って送風することで、さらに10%の省エネ効果が期待できるという。

photo マルチゾーン空調のデモンストレーション。わざと暖かい部分と冷たい部分を設けた可動式の床を回転させると、エアコンの気流が冷たい部分を追いかける。気流が届いていることは、床の上に設置した風車が教えてくれる

 ムーブアイのもう一つの特徴は、室内のニオイ問題を解決する脱臭能力だ。フィルターを使って吸着したニオイ分子にプラズマ放電をかけ、分子結合を破壊するのが従来型の“プラズマ脱臭”。さらに今回は、フィルターにナノオーダーの穴を無数にあけて「畳3000畳分」の表面積を実現したほか、分解を促進する触媒としてプラチナを採用している。「脱臭力は、昨年のモデルに比べて約3倍。約30キロの炭に相当する」(同社)。

photo プラチナプラズマ脱臭ユニットを分解したもの。黒い部分が畳3000畳分の表面積を持つというフィルター。ナノサイズの穴が無数にあいている
photo 臭い食べ物の代名詞“くさや”を使用した「プラチナプラズマ脱臭」のデモンストレーション。単なるフィルター式の脱臭装置では、ニオイのレベルが200ppm程度にしか下がらないが、プラズマ脱臭は10〜20ppmにまで下がる
photo 同じく“くさや”による脱臭実験結果。同じ広さの空間に従来のフィルター型脱臭エアコンと新ムーブアイを設置してニオイ濃度を測定した。運転開始後から急速にニオイが減少し、10分間で約90%のニオイを除去するという

 このほか、梅雨の時期に便利な「さらっと除湿冷房」、初期性能をキープする洗浄機能「丸ごとクリーンシステム」などを搭載。これまで掃除するのが難しかった送風ファンにも2アクションで手が届く構造として、付着した汚れを簡単にふき取れるようにしている。

 新しいムーブアイ「ZWシリーズ」は、冷房能力2.2kWの「MSZ-ZW22T-W/T」から7.1kWの「MSZ-ZW71TS-W」まで計11モデルをラインアップ。価格はすべてオープンプライスだが、ボリュームゾーンの4.0kWタイプ(MSZ-ZW40T-W)で23万円前後になる見込みだ。

 なお、一部モデルには、前面パネルを「ステンレス調」「木目調」にしたバージョンを用意。出荷台数限定のプレミアムモデルとして2006年2月下旬に発売する予定だという(価格未定)。

photo 「ステンレス調」「木目調」のプレミアムカラーは、売れ筋の2.8kWタイプと4.0kWタイプにラインアップ。なお、木目調は和室に合わせたものではなく、「フローリングや木製家具を置いた洋室にぴったりとくるデザイン」(同社)

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