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FHPが42V型のフルHD PDPを開発、2007年に製品化

» 2005年12月07日 15時50分 公開
[ITmedia]

 富士通日立プラズマディスプレイ(FHP)は12月7日、42V型のサイズでフルHD解像度(1920×1080ピクセル)を持つプラズマディスプレイパネルを発表した。高輝度/高開口率が特徴のALIS方式を改良。画素を隔てるリブをスリム化するなどして207万画素を実現した。2007年春に量産を開始する予定だ。

photo フルHD対応の42V型PDP

 FHPは、32V〜55V型の大型ハイビジョンパネルを中心に製造する専業メーカー。富士通と日立の合弁会社として誕生したが、富士通のPDP事業縮小を受け、2005年4月に日立製作所が連結子会社化している。

 同社は、今年10月の「CEATEC JAPAN」で55V型のフルHD PDPを出展していたが、「ボリュームゾーンである40型クラスをフルHD化するのは難しいといわれてきた」。理由は、セルピッチを細かくすることで、輝度やコントラストといった表示性能が十分に確保できなくなることだ。

 新パネルでは、セルを隔てるリブの幅を従来比3分の2にまで薄くした“スリムリブ”を開発。ALISパネルの高い開口率や高速駆動制御と合わせ、輝度やコントラスト性能を維持しつつセルピッチを「世界最小」の横方向0.16ミリまで細かくした。「XGAパネルの約2.6倍という高密度セルを実現するため、加工技術、プロセス技術ともに一段高いレベルを求められた」(同社)。

photo 左がスリムリブ

 また、ALIS方式の特徴でもあるシングルスキャン駆動を垂直1080ラインに適用。アドレスドライバーの配置を改良して電極端子ピッチを広く確保することで、高い信頼性と生産性を実現したという。主なスペックは下表の通り。

製品名 42V型フルHD ALIS PDP
表示サイズ 対角106センチ(42V型)
有効画面寸法 922×518ミリ
画素数 1920×1080画素
アスペクト比 16:9
画素ピッチ (0.16ミリ×3)×0.48ミリ
輝度 1000カンデラ/平方メートル
暗所コントラスト 3000:1

 発表会場には、新パネルと従来型の42V型PDP(XGA)を並べて展示。虫眼鏡を用意して集まった報道関係者に画質をアピールした。「XGAパネルではドット感が残るものの、フルHDパネルにはまったくない。フルHD映像を余すことなく表示できるだろう」(同社)。

photo 画面の一部をルーペで拡大したところ

 新パネルは、2007年春に量産を開始。日立製作所のユビキタスプラットフォームグループが新パネルを搭載したテレビの製品化を予定している。

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