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デジタル放送を2層メディアに残せる――パイオニア「DVR-DT90」レビュー(4/5 ページ)

» 2005年12月13日 20時32分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 本製品で難点といえるのが、一部の管理機能が完全に統合されていない点だ。たとえばTS録画とMPEG2録画(VR録画)はHDD内の別の領域に保存される仕様で、ユーザーは事前に2つの領域の比率を設定しておく必要がある。もちろん、あとから設定を変更することも可能だが、変更時に録画済みの番組は全て消去されてしまうため、利用開始前に自分の録画スタイルを考えて設定しておくべきだろう。

 設定画面では、比率のほかに録画可能な目安時間も表示されるが、初めてハイビジョン録画対応のレコーダーを購入した人の場合、果たしてどのくらいTS録画をするか、ピンとこないかもしれない。TS録画した番組をDVDメディアに残す場合はSDクオリティへダウンコンバートすることになるから、できるだけ高画質のまま残しておきたい人は、TS録画に割り当てるHDD容量を多めにしておこう。

photo TS録画とMPEG2録画(PS録画)はHDDを分割して異なる領域に録画されるようになっている。前モデル「DVR-920H-S」の仕様を引きずってしまっているわけだが、ユーザーにとってメリットは何もない

 録画予約の管理もデジタル放送と地上波アナログ放送が別々だ。デジタル放送もMPEG2録画が可能であるのに(MPEGエンコーダーを使う)、予約録画が重なっても一覧では確認できない。一方、録画番組一覧(ディスクナビ)や、ダビング時の番組選択などでは、録画ソースや録画形式(TS録画、MPEG2録画)に関わらず一覧表示される。UIの出来は非常に良いだけに、ここで指摘した部分は非常に残念に思えた。

photo デジタル放送の予約一覧画面
photo アナログ地上波放送の予約一覧。画面構成やUIもきちんと統一されており、1ボタンで行き来できるのだが……

親切で便利なダビング機能は健在

 ダビング機能も新GUIで大きく変更された部分だ。たとえばDVDメディアへのダビングを指定すると、まずVRモードとビデオモードの違いを解説してくれる。また複数の番組をダビングする際は、番組を選択したあとで順番を変更したり、自動CMカット機能を有効にできたりと、ユーザーインタフェースの出来は非常に良い。メディアにぴったり収まるよう、自動的に再エンコード画質モードを設定する機能もあり、これは複数の番組を一括ダビングする場合にも有効だ。

 なお、ダビングはファイナライズまで一気に済ませることができる。また高速ダビングなら、ダビング中でも録画予約が実行されるし、ファイナライズと予約録画が重複した場合は自動的にファイナライズをキャンセルして予約録画を優先する。

photo ダビング時には番組ごとに画質を設定可能。高速ダビングも共存できる。上の画面では2つ目の番組のみが高速ダビングだ
photo ダビング時にファイナライズまで指定すると、予約録画の時間にかかった場合に録画を優先する旨を警告してくる。またファイナライズを指示せずにダビングしようとした場合、ファイナライズの意味を解説しつつ確認してくる。ファイナライズはその意味が分かりにくいだけに、くどいくらいのほうが親切といえるのではないだろうか

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