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第38回 デジタル一眼レフとコンパクトデジカメの関係今日から始めるデジカメ撮影術(1/6 ページ)

» 2005年12月22日 01時23分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 2005年はデジタル一眼レフ飛躍の年だった。10万円以下で買える製品もたくさんあるし、レンズも安いものなら2万〜3万円あれば買える。年末に向けてボーナスで買った人も多いだろう。今回はそんな一眼レフの話。

デジタル一眼レフがコンパクトデジカメと違う点は

 フィルム時代に一眼レフを使っていた人ならいざしらず、コンパクトデジカメを使っていた人がデジタル一眼レフを手にするとその違いにかなり驚くだろう。コンパクトデジカメがデジタル専用で設計されたものであるのに対し、デジタル一眼レフはフィルム時代の一眼レフの構造をそのまま利用しているからだ(だから当時のレンズをそのまま使える)。

 はじめてデジタル一眼レフを使うときはその辺に注意して撮りたい。

 まずデジタル一眼レフは大きくて重い。本体は最軽量でも500グラムくらい。レンズも軽くて200グラム(これだけでコンパクトデジカメ1台の重さだ)、重いものでは1キロにもなる。持ち歩きには覚悟がいるが、その分グリップしやすくて構えたときの安定度もあって、その重みが撮るときは気持ちいい。

 2番目は液晶モニターを見ながら撮れないこと。コンパクトデジカメは撮像素子(CCDなど)が捉えた映像をそのまま液晶モニターに表示するが、一眼レフはレンズに入った光はミラーで上部の光学ファインダーにそのまま送られる。撮影する瞬間だけミラーが上がって撮像素子に光があたるのだ。よって、撮影時に液晶モニターは使えないのである。光学ファインダーのみで撮る必要がある。だから低い位置から撮りたいときはしゃがまないとダメだし、カメラもちゃんと顔にくっつけて構えないとダメで、ぐうたらはできない。これは覚えておきたい。

 ミラーが上がったり下がったりするので撮影にシャッター音がする。コンパクトデジカメは音を消せたが、一眼レフのシャッター音は消せないので注意。

 3番目はレンズを交換できるのでレンズによって様々な写真を撮りわけられること。超広角から超望遠、さらにマクロ専用、魚眼レンズなど目的に応じて交換できる。価格も2万円程度で買えるものから100万円を越えるものまでバリエーションは広い。

 これは、アマチュア向けデジタル一眼レフと交換レンズたち。後ろにある大きな2本のレンズはそれぞれ望遠ズームでレンズ専用メーカー製(カメラメーカー純正より低価格)。カメラの左にあるのはデジタル一眼レフ専用の手ブレ補正ズームレンズ。右にあるのは超広角のズームレンズ。手前にある3つはズームがない単焦点レンズなので小さくて軽い。カメラに付いているのは「カメラ+レンズキット」でセットで売られている標準的なズーム。

 交換レンズは無数に出ているが、メーカーによってレンズとボディの接合部の規格(マウント)が異なるので、ニコンのデジカメにキヤノンのレンズは(基本的に)付けられない。レンズ専用メーカーでも、キヤノン用、ニコン用、コニカミノルタ用と別製品として販売しているくらい。性能がかぶるレンズも多いが、高性能なものほど大きく重く高価になるため、携帯性を重視してあえてワンランク下のレンズを使うなど使い分けられている。一般に、似た焦点距離(似たズーム域)のレンズなら、レンズが明るければ明るい方が(F3.5よりF2.8の方が)、さらにズームレンズならズーム全域で明るさ(F値)が変わらないレンズの方が重くて大きくて高価だ。

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