アナログ放送の番組を指定して、今度こそ転送開始。ストップウォッチ片手に転送時間を計ってみると、30分番組(768Kbps)の転送にかかった時間は1分37秒。1時間番組(768Kbps)で2分8秒と、ほぼスペック通りの数字だった。
なお、設定で「高速転送録画」をオフにしている場合でも、録画済みの番組(MPEG-2録画)を指定してエンコード&転送することができる。ただし、エンコードはリアルタイムのため、30分番組なら30分かかってしまう。また、エンコード中は予約録画を実行してくれないという大きな制限もあるから、「おでかけ・スゴ録」機能を日常的に使うなら「高速転送録画」は常時オンにしておいたほうがいいだろう。
転送した番組は、PSPの「ビデオ」→「メモリースティック」でみることができる。各タイトルにはサムネイル画像が付き、またEPGで取得した番組名や録画日時、再生時間なども表示するため、最近のDVDレコーダーと同じような感覚で使える。
操作は、UMDビデオやP-TVのコンテンツを再生する場合と同じだ。表示モードは一般的なワイドテレビと同様で、「フル」「オリジナル」(実解像度表示)「ノーマル」「ズーム」の4種類から選択可能。左右の方向キーでそれぞれ3段階の「早送り/早戻し」が可能なほか、再生中に「△」ボタンを押すと操作パネルが表示され、スローやコマ送り、A-B間リピートなども利用できる。A-B間リピートは、音楽番組を持ち出して、お気に入りのアーティストが出ているシーンだけを再生するときなどに便利だ。
画質はまずまずだ。ポータブルテレビと比べても一応納得できるレベルだ。768Kbpsはさすがに解像感もあってクリア。気になるのは動きの激しいシーンで生じる細かいブロックノイズくらいで、発色も特定の色を強調する傾向はなく、“あっさりめ”の画質に好感が持てる。
一方の384Kbpsは、静止状態でもテロップなどの細かい部分が潰れるのが気になるものの、「読めないことはない」というレベル。ただ、画面内で人が動くとブロックノイズで輪郭が崩れるのは、ちょっとツライ。このあたりは、情報量の差が一番出る部分だ。
「RDR-AX75」の魅力は、なんといっても専用LSIの搭載によるリアルタイムエンコードだ。たとえば、朝の情報番組を通勤電車の中で見たいとき。従来の「PSX」では、出発の5時間前に録画が終了していなければならず、朝に持ち出せる動画はせいぜい深夜番組が限界だった。しかしRDR-AX75なら、朝に数分間の転送時間さえあれば、直前まで放送していた番組を持ち出せる。鮮度の高い情報を携帯できるという点も重要だろう。そしてPSPで見る動画は、画質や使い勝手を含め、とりあえず「ゲームだけではもったいない」と思わせてくれた。
次回は、PSPをクライアントに利用できるようになったロケーションフリーTV「LF-PK1」とサードパーティ製の「PSP用防水カバー」を取りあげる。
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