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ワイヤレスシステムへの巧妙なアプローチ――ソニー「HT-SL800W」サラウンドシステム特集(3/3 ページ)

» 2005年12月26日 14時37分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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 機能面は基本的に変わらない。初期設定は、前面のディスプレイ部に表示されるメニューを見ながら、フロント、センター、リアの各スピーカーの距離(0.1メートル単位で1〜7メートル)や、リアの高さ(LOW/HIGH)を入力していけばいい。各スピーカーごとの音量調節(−10〜+10dB、1dB単位)や、トーンコントロールもできる。

 再生方式や音場効果は実に多彩だが、大きく4つのモードに分かれており、リモコンに並ぶ「2CH」「A.F.D.」「MOVIE」「MUSIC」で切り替えればいい。「2CH」を押すと、2CH STEREOモードで、常にフロントとサブウーファーのみの2.1ch出力となる。「A.F.D.」はオートフォーマットダイレクトで、2chや各種5.1ch信号を自動的に判別したうえで、ダイレクトに出力を行う。ボタンを押すたびに、ディスプレイ部の表示が「A.F.D. AUTO」から「DOLBY PL」「PLII MOV」「PLII MUS」「MULTI ST.」へと変わっていき、2ch音声に対して、ドルビープロロジック/ドルビープロロジックIIムービー/ドルビープロロジックIIミュージック/マルチステレオの各処理によるマルチチャンネル化を施せる。

 また、「MOVIE」「MUSIC」は、デジタルサラウンド、アナログサラウンドなど、あらゆる入力信号に対して、ソニー独自の音場効果(サウンドフィールド)を適用するものだ。「MOVIE」ボタンを押すと、「C.ST.EX A」→「C.ST.EX B」→「C.ST.EX C」(ソニー・ピクチャーズエンターテイメントの各シネマスタジオの音響特性を再現したもの)、「MUSIC」では「HALL」「JAZZ」「CONCERT」(コンサートホール、ジャズクラブ、ライブハウスを再現)と、あらかじめプログラムされたサウンドフィールドを呼び出せる。

 音質面で気になるのは、フロント/リアの4本とセンタースピーカーのバランスだろう。ただ、ボディの形状は異なるものの、実は内蔵されているスピーカーユニットは、2.5センチバランスドーム型×1と7センチコーン型×1のバスレフ方式と、まったく同じ構成だ。実際に音を聴いた印象でも、センターに力不足や音質の差を感じることはなく、むしろ、映画などでは台詞をしっかりと伝えてくれる。とはいえ、スタンドがない分、置き場所に影響も受けるので、その点には気を配るべきだろう。

photo センタースピーカーは横置きタイプで、幅356×高さ92×奥行き76ミリ、質量0.95キロとかなり小さい。ただし、使用ユニットはフロント/リアと同一のもので揃えている

 また、サブウーファーから出力される低音は、やや奥行きに欠ける(いわゆる平板な)感じも受けるが、音質は決して悪くないものだ。しかも、当然ながら、各スピーカーとの一体感が非常に高い。映画のみならず、通常のステレオ音楽再生でも、別の位置でサブウーファーが鳴っているとは意識させず、まさしく、フロントスピーカーの一部として、低音出力を担っている印象である。

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