プレゼンテーションに「Intel」の文字が浮かび上がり、いよいよ講演は佳境に入る。同社は2006年前半までにIntelプロセッサを搭載したMacを市場へ投入すると述べていた(特集:現実になる「Pentium Mac」)のだが、突然に舞台は暗転。半導体工場の作業服風の格好をした男がプロセッサダイを持って登場した。男はIntelのCEO ポール・オッテリーニ氏で、“Pentium Mac"のスタートをつげにやってきたのだ。
この「バニーメン」の格好はIntelを象徴する「アイコン」で、かつてスティーブ・ジョブズ氏はPowerPCの省電力機能を誇示するためにテレビCMでからかったことがある。「Pentiumはあまりにも熱いので、消火しました」というのがそのメッセージ内容だった。その「コスプレ」でIntelのCEOが登場するというのは皮肉というかなんというか。
オッテリーニ氏が祝辞を述べると、画面は一転し、初のIntelプロセッサ搭載マシンとして「iMac」(iMac Core Duo)が紹介された。そこでジョブズ氏はコメントする。「サイズとデザインは既存製品とまったく変わらない。では、何が違うのか? それはスピードだ。2Mバイトのキャッシュを備えたデュアルコアプロセッサを搭載しており、iMac G5と比較して2倍から3倍の高速化が図られている」(関連記事:「4倍速い」MacBook Proと「2倍速い」iMacがIntel Core Duo搭載で登場)
ジョブズ氏はSPECintとSPECfp(いずれもベンチマークソフト)の結果を示しながら、iMac G5(2.1GHz)とiMac Core Duo(2.0GHz)を比較する。数値によれば、クロックスピードはほぼ同じながらも、整数演算で約3倍、浮動小数点演算で約2倍の高速化が実現したという。
矢継ぎ早に、PowerPCベースのソフトをIntelプロセッサのMacでも利用できるようにするエミュレーションソフト「Rosetta」や、MacOS版Officeの開発継続をアナウンスし、ソフト面のサポートも万全であることを強調。iMac Core DuoでPhotoShop CSを実際に操作してみせ、動作の高速さもアピールした。
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