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重厚感に溢れたポータブルDVD高級機――東芝「SD-P2800」レビュー(2/3 ページ)

» 2006年01月16日 11時07分 公開
[浅井研二,ITmedia]

機能は豊富で、駆動時間にも余裕があるが、その分、大きさ・重さはかなりのもの

 この製品のもう1つの特徴は、“オールインワン”であるということ。パッケージにカーアダプタとキャリングバッグを標準添付した点は「SD-P1800」でも同様だが、「SD-P2800」では本体にTV(CATV対応)/FMチューナーを内蔵している。また、SD、MMC、メモリースティックに加え、XDピクチャーにも対応した4in1カードスロットも装備。CD-RやDVD-Rだけでなく、各種カードに記録されたJPEG静止画やMP3/WMA音声、そして、DivX動画の再生も可能だ。

photo 背面にはS1映像出力、D1/D2映像出力、ビットストリーム/PCM音声出力端子(光)、AV入力端子、AV出力端子が並ぶ。内蔵液晶画面とS/コンポジット/D映像出力は、同時に使用することはできず、機能設定画面を呼び出して、AV出力設定で「オフ(内蔵液晶へ表示)」「ビデオ出力/Sビデオ出力」「D1出力」「D2出力」から選択する
photo TV/FMチューナーを使用する際には、付属のヘリカルアンテナを取り付ける。接続は一般的なF型コネクタ
photo カードスロットは4in1タイプ。SD、MMC、メモリースティックに加え、XDピクチャーにも対応し、間口が広がった。特にデジタルカメラとの組み合わせでは便利だろう

 ただし、こうした高機能と大型液晶画面があいまってか、本体は幅261×奥行き179×高さ37ミリ(突起部除く)、質量1.3キロとかなりのもの。さらに、バッテリーは本体とほぼ同じ幅・奥行きの大型タイプで、背面ではなく底部に装着する。これにより、新たに9V型IPS液晶搭載やチューナー内蔵を選択したにもかかわらず、約4時間半(実測でも4時間20〜30分のあたりで、画面に赤いバッテリー警告マークが表示され、まもなく自動的に電源オフとなった)という駆動時間を確保した。

photo バッテリーは底面に合体させるタイプで、装着時には本体の高さが約5センチとなってしまうが、その分、容量は6400mAhとかなりのもの。約4時間半の連続再生が可能だ

 その分、バッテリー装着時には、高さが約5センチ、質量は1.8キロ近くにもなってしまうが、これは各人の用途により、評価は分かれるに違いない。つまり、TV/FMチューナーを常用したい人であれば、多少大きくなっても内蔵されていたほうが使い勝手はいいし、さらに、車載用途がメインであれば、重さも特に気にならないだろう。

 本体は外側がブラック、内側がシルバーのカラーリングが施され、各所の縁には傾斜がつけられている(いわゆるベベルエッジ)。高級感というよりは、頑丈そうなイメージを醸し出すが、ともかく「巨大」な印象を多少なりとも軽減させる役目は果たしていると思う。また、形状のデザイン処理は、見た目だけではなく、バッテリー装着時でも片手でつかみやすくする実益も兼ねているようだ。

 いずれにせよ、外観はしっかりとした印象なのだが、一方で内部に目を向けると、やや不満は感じる。スピーカーの配置やボタン類の仕上げは上々なのだが、この製品でもディスクカバーが薄く、開閉構造にも少々不安がある。ディスクを入れて、カバーを閉じても、きちんとホールドされているのかどうか、どうも気になってしまう感じだ。これと関係あるのかどうかは不明だが、ディスクの読み取りエラーにも何度か遭遇した。また、ディスクの回転音も、特に開始時はかなり大きい。

photo 本体のボタンは「SD-P1800」と同様のデザイン・配置で、「SD-P1600」とは異なり、再生制御や音量調整が手前に置かれているため、操作しやすくなっている
photo 左側の「オープン」ボタンを押すと、ディスクカバーが開く。構造は「SD-P1600」などと同様で、やや頼りない感じではある

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