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世界の反対側で仕事をする方法小寺信良(2/3 ページ)

» 2006年01月23日 09時00分 公開
[小寺信良,ITmedia]

時差を吸収するとはどういうことか

 昨年のCES2005のとき、コンベンションセンターのコンコースでAV評論家の麻倉怜士さんと立ち話したときに、どういういきさつからか時差ボケの話になった。そのときの麻倉さんの時差ボケ対処法というのが、非常に豪快で面白かった。

 「現地の時間に合わせない」というのである。つまり、日本時間のままで生活するのだ。本気でおっしゃったのかシャレなのか、今となっては知る由もないが、7時間ぐらいの差であればこの方法は可能だと思われる。ただ現地時間で7時間ほど寝坊することになり、多少早起きして頑張ったとしても、午前中の取材はまず諦めなければならない。

 そこで今回CESの取材で筆者が編み出したのが、睡眠に関する無駄な時間を極力減らす、という作戦である。

 時差ボケによる障害で一番問題になるのは、もちろん本来起きていなければならないときに眠くなることである。そしてその原因となるのが、現地時間に従って眠ろうと思ってもなかなか寝付けず、転々と寝返りを打つだけ、という時間の存在だ。この無駄な時間をなくして、しっかりまとまった睡眠時間が取れれば、昼間も辛くないだろうという理屈である。

 そこで対策として、

1. 眠くないのに寝ようとしない

2. 眠くなったらすぐ寝る

 この2点に留意した。眠いときにすぐ寝て、実働時間を日本時間で7時間前倒しする方向に調整していけばいいのだ、と考えるわけだ。つまり渡米時の時差を吸収するということは、通常の睡眠時間分をそっくり前倒しするという作業に他ならないわけである。

 一般的にコンベンションの取材では、10時から17時ぐらいまで会場取材、ホテルに戻ってから食事などを挟みながら、0時〜2時ぐらいまでかかって執筆、それから睡眠、というスケジュールになる。

 この動きを日本時間に置き換えると、夜中の3時から明け方10時ぐらいまで取材、その後ノンストップで夕方の5時〜7時ぐらいまで朦朧とした意識の中で執筆、という動きになる。そしていくら疲れているとはいえ、夜7時ぐらいから寝ようとしても、そんな時間にはなかなか眠れないという悪循環に陥るわけだ。

無駄な時間を排除する

 そこで無理をせず、現地でいつ頃眠くなるかを自己観察してみた。すると現地時間の午後3時ごろと、午後8時ごろに強い睡魔に襲われるようだ。日本時間では、午前8時ごろと午後1時ごろとなる。いかにも徹夜明けで気絶しそうな時間帯だ。

 現地時間の午後3時に寝ようと思っても、なかなか現地の状況が許さない。だが午後8時ぐらいならば、すでに昼間の用事は終わっている。このときに無理に現地時間に合わせようとすると、そこからまた仕事をするという算段になるわけだが、そこを思い切って寝てしまう。

 まあ食事の時間もあるので、なんだかんだで寝るのが午後9時ぐらいになったとしても、午前3時〜4時ごろに起きれば6〜7時間は睡眠が取れることになる。そしてそのまま朝まで仕事をして、続けて昼の取材に出るのである。

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