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人間のコミュニケーション性を1辺47ミリのキューブで体験する「CUBE WORLD」プロフェッサーJOEの「Gadget・ガジェット・がじぇっと」!(1/3 ページ)

» 2006年01月30日 10時06分 公開
[竹村譲,ITmedia]

 約20年近く昔、米国のActivision社が発売した「Little Computer People」という極めて個性的な「育成シミュレーション」があった。このソフトウエアはその後、日本国内のパソコンゲーム市場や「ポケモン」、そして「たまごっち」などのゲーム機の出現にも多くの影響を与えた。

 筆者もその昔、秋葉原の怪しげな店で購入したIBM PC互換機上で、IBM PC版の「Little Computer People」を遊んだ時期がある。ソフトウエアが起動すると、画面にはかなり豪勢な3階建ての家が現れ、その家にたった1人で愛犬と住むおかしなおじさんとキー入力を通して会話する。話の進展具合や会話量によって、そのおじさんが元気になったり、病気になったり、ご機嫌でピアノを弾いてくれたり、食事をしたりしてくれる姿を第三者としてこっそり観察できる怪しく楽しいゲームだった。

 インターネットが普及し、コミュニケーション機能が社会のベースとなり、ビジネスの世界でも、アートの世界でも人間が持つ「コミュニケーション能力」の重要性が説かれる時代となった。来るべき時代に、以前は閉じた孤独な世界だった「育成シミュレーション」ゲームのワールドも新しい進化のベクトルを見せ始めた。

 いずれ誰もが1人で死んで行く人間は、孤独に強い面もあり、また同時に弱い面も必ず持ち合わせている動物だ。誰もが1人で居たい時もあれば、無性に誰かと一緒に居たい場合もあるだろう。1人で居るのも嫌なくせに会うと必ず喧嘩をする2人、3人なら仲良くなれるのに4人になるとひょんな事から2つに分かれたグループでもめたりすることも多い。

 そんな人間の生まれながら持った体質を1辺47ミリのプラスチック製のキューブに閉じこめた「CUBE WORLD」が米国内で、昨年のクリスマスに売れたらしい。

photo 現在入手可能なCUBE WORLDは全部4種類。組み合わせで楽しさ倍増

 たまたま出かけた米国内のショップで筆者が購入した「CUBE WORLD」は、2種類のキューブが1つの箱に入ったパッケージ商品として販売されていた。1つのパックは、それぞれ「DODGER」と「WHIP」と名付けられた2個のキューブで構成されている。もう一方のパックには、「SLIM」と「SCOOP」と名付けられた2個のキューブが入っている。

photo 異なるCUBE WORLDが2個入ったパッケージは米国内で約40ドル

 赤や黄のカラフルな各キューブは、一見、ミニチュアのテレビの様な外観をしており、前面にモノクロ液晶スクリーンが取り付けられている。そしてその下に3個のプッシュスイッチ、後背面にはバッテリー交換の為の蓋とその開閉ネジがある。バッテリーには、国内ならどこでも入手可能なCR2032ボタン電池を1個使用する。

 液晶スクリーンと後背面を除く残りの周囲4面には、表面に全て3個の金属接点がある。3個の内、両端の2個は極性を管理されたマグネットでもあり、キューブ同士がつながるべき位置関係以外ではつながらないように管理されている。真ん中の1個の金属端子を含め3個の金属接点が、キューブ同士がお互いに情報をやり取りするインタフェース端子ともなる。

photo 3個のマグネット接点で縦横に複数のCUBE WORLDを接続拡張出来る
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