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人間のコミュニケーション性を1辺47ミリのキューブで体験する「CUBE WORLD」プロフェッサーJOEの「Gadget・ガジェット・がじぇっと」!(3/3 ページ)

» 2006年01月30日 10時06分 公開
[竹村譲,ITmedia]
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 何れの棒人間も道具を使うことなく、上下左右の隣接するキューブとの間に仮想的に設けられたドアを開けて、いとも簡単に隣人宅に遊びに行くことが出来る。2人で仲の良い場合もあるが、とっくみあいの喧嘩になって、怒って一方が自分の部屋に戻ったり、ある時は3人が、仲間内の誰かの部屋に集まり、和気あいあいとした雰囲気の時もある。住人が何処かに遊びに出かけて誰も居なくなった部屋は、液晶画面上をブラインドが降りてくる。

photo 右下のSCOOPが左下のSLIMに遊びに行き、右上のDODGERは真下のSCOOPのところに降りて行った。誰もいなくなった右上のDODGERのCUBEはブラインドが降りている。

 更に、CUBE WORLD内部には、加速度センサーが装備されており、本体ユニットの傾きや回転を検知し、その結果をもとに、内部に居る棒人間が変化を目に見える形で表現することが出来る仕組みとなっている。1個のCUBE WORLDを手に取り、画面を見ながらゆっくりグルグルと回すと、初めは壁に両腕を押し当て耐えている棒人間がバランスを崩し横に転倒する。

photo DODGERを逆さまにすると……
photo 天井から床に落ち、立ち上がろうとしているDODGER
photo 落っこちた際に、頭を打ったらしく、DODGERは頭をさすっている

 しつこくこれを何度か繰り返し、その後、水平位置で停止すると、棒人間は、目眩を起こし壁に腕をつき、何とか立ち上がりはする。しかし、余りの気持ちの悪さに、その後、床にしゃがみ込んでゲロを吐く場合もある。時には、大袈裟なジェスチャーで貴方にクレームを言ってくる棒人間もいる。棒人間は正に生きているかの様なアクションだ。

 CUBE WORLDは、その時のオーナーの気分次第で自由な組み合わせが可能な点が面白い。筆者は、懐具合と相談して、また海外からのハンドキャリーによる持ち帰りなので、全4種類の棒人間を1人ずつ、合計4人分しか購入できなかったが、全てを2人づつ合計8人の棒人間を組み合わせれば、予想外の楽しさなのかも知れない。

 2人の棒人間を1パックにしたパッケージ商品の米国での販売価格は約40ドル、これを高いと考えるか、安いと考えるかは、大人向けとも子供向けとも決めかねるこのファニーな新しい遊びにかける気合いと、エンジョイできる心の余裕を持ち合わせているかどうかだろう。既に80ドルを投資した筆者としては、今後、何はともあれ、女性棒人間「GIRLS EDITION」を心待ちにしている。

 人間社会もそうだが、学校でも、会社でも、家庭でも、旅行でも、サークルでも、そこに女性がいるだけで、話は200%複雑になって楽しみも揉め事も増幅されるのが一般的だ。必要なキャラクターは、仕事も出来るが自惚れ女の「DIVA」と、極めてチャーミングで常に男性棒人間を虜にする悪女の「BABE」。この2人の追加でCUBE WORLDはもっと楽しくなるはずだ。


竹村譲(Takemura Yuzuru)氏

超大型汎用コンピュータの営業職として日本IBM(株)に入社。 DOS/V生みの親として知られるほか、ThinkPad220から始まる一連のIBMモバイル製品の商品企画や戦略を担当。今は亡き「秋葉原・カレーの東洋」のホットスポット化など、数々の珍企画でも話題を呼んだ。「ゼロ・ハリ」のペンネームで、数多くの著作がある。 2004年3月、日本IBMを早期退職し、同年4月より国立高岡短期大学産業造形学科教授。より広範囲で自由な活動を目指し、教授職を辞職。現在は富山大学 芸術文化学部 非常勤講師。ブランドデザインやデザイン情報が専門。 また、IT企業や携帯キャリアの顧問等を勤める。ライフワークは、独自の「ブランド戦略」や「スローなIT戦略」を踏まえた「ワークスタイル変革」の研究と実践。

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