本編は87分。短いのが幸いしてか、充分な高画質を維持している。オリジナルの音声はDTSとドルビーデジタルの5.1chを収録。いずれもリアチャンネルを効果的に生かしたサラウンド効果満点の音響となっている。特に冒頭の家族殺害シーンでは雷の音や床に人が落ちる衝撃音が迫力満点となっている。
日本語吹替版はチャッキーの声をタレントの山崎邦正と声優の納屋六郎が担当した2バージョンを収録。見る前は山崎版は話題作りの一環だろう程度に思っていたが、意外にはまっていて作品に集中できた。5.1chの効果も併せて充分オススメできる。納屋版は2ch収録なのが残念だが、こちらはさすがベテラン声優。完璧な出来である。
映像特典は合計52分。収録内容はメイキング(19分)、ストーリーボードと完成画面の比較(14分)、削除シーン(3分)、チャッキー特別インタビュー(2分)、ジェニファー・ティリー、ティファニー、チャッキーへの個別インタビュー(4分)、家族旅行の思い出(4分)、各種予告編となっている。
また音声解説は監督とジェニファー・ティリー、監督とパペット繰演者の2種類を収録。さらに要所要所で豆知識を表示するトリビア情報字幕も装備している。いずれも楽しめる特典だが、本編とは別に撮影されたインタビュー映像はしっかりチャッキーたちが登場し、かなり笑える作りになっている。
メイキングでは1体の人形につき7人の繰演スタッフが付き、事前に収録した声に合わせて口の動きをコンピューターで制御する流れも描かれ、興味深い。期待していたトリビア字幕は表示されない時間が随分あり、かなり忍耐を強いられるが、静止画収録されたジェニファー・ティリーの撮影日誌の密度が相当に濃く、感動させられた。
企画段階から撮影に入るまでの様子が女性ならではの視点で相当細かく書き込まれており、下手なメイキング映像よりも、よほどスタッフ・キャストの心情を代弁している。ティリー自身の感情も包み隠された様子は見当たらない。
特典の合計時間は52分と記したが、音声解説も含め実際の視聴に要する時間はかなりかかるので、中身の薄い韓国映画の○枚組セットよりはるかに楽しめることは間違いない。価格も3990円とこの密度にしては充分良心的な値段となっている。ホラーファンはもちろん、ブラックな笑いを求めている方にも是非お薦めしたい傑作DVDである。
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