昨年10月に発売された「gigashot V10(MEHV10)」は、東芝としては久々のビデオカメラながら、4Gバイト容量の0.85インチHDDを内蔵するなど、実用的な性能と多彩な機能を搭載し、完成度の高い製品に仕上がっていた。しかも、クレードルなどの豊富なアクセサリを同梱しつつ、5万9800円という安さ(モニター価格)で提供。同社のダイレクトオンラインショップ「Shop1048」で人気を博したのは記憶に新しい。
その「gigashot」に新シリーズ“R”が追加された。1.8インチHDDを採用する点では、日本ビクターの「Everio GZ-MG77」やソニーの「DCR-SR100」と変わらないが、小型HDDの開発元だけに、HDD容量30Gバイトの「gigashot R30(GSC-R30)」に加え、60Gバイトモデルの「gigashot R60(GSC-R60)」をも投入することで、他社との差別化を図ったようだ。
この2モデルは、付属品の内容が異なるものの、基本性能は同じなのだが、HDD容量の違いから重さ、さらには本体幅にも少し差が生じている。本体サイズのうち、高さ119.0ミリ、奥行き70.5ミリという点は変わらないが、R60は幅が50.7ミリで質量は410グラム(バッテリー含まず)、R30は幅が47.7ミリで質量は390グラムとなる。
ただ、小さいほうのR30でも、V10(38.5×103.8×59.5ミリ、225グラム)と比べると、サイズは幅・高さ・奥行きとも1センチ前後、質量は200グラム近く“成長”している。もちろん、HDDだけでも0.85型と1.8型とでは50グラム程度の差が生じるはずだが、実はそれだけではない。よりビデオカメラに近づいた結果の成長とでもいうべきだろうか。
初代のV10を見たとき、ふと思い出したのは、日本ビクターの初代DVカメラ「GR-DV1」である。当時としては考えられないほどの超小型を実現し、フラットデザインが魅力的な製品だったが、その半面、液晶モニターはなく、また、撮影時のホールド感も決していいとはいえなかった。そして、その後継機となる「GR-DVM1」では、サイズやデザインの面が犠牲になったものの、実用性は向上したのだ。
因果関係はまったくないものの、今回のgigashot新モデルでは、このGR-DV1からGR-DVM1への変化にも似たものを感じる。もちろん、液晶モニターはハナから搭載していたのだが、V10では5倍とやや中途半端に思えた光学ズーム倍率がR30/60では10倍となった。ビデオカメラとして胸を張れるスペックといえるだろう。本体デザインに関しても、見た目のインパクトよりも実用性の重視へシフトしたように思える。
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