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大容量HDDでファイル管理・編集もより実用的に――東芝「gigashot R60」春のビデオカメラ特集(3/3 ページ)

» 2006年03月08日 19時59分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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9MbpsのSHQモードも導入されたものの、大容量化の恩恵は管理と編集にあり

 従来のV10では、動画撮影の品質設定は、LP(2Mbps)、SP(4Mbps)、HQ(6Mbps)という3モード(ワイド画面のHQ/SPを含めると5モード)のみだったが、今回のモデルではさらに高品質が確保可能なSHQモードが追加された。SHQモードではビットレートが9Mbpsとなるが、大容量HDDを搭載しているため、R30でも6時間40分、R60では13時間30分の撮影が行える。

 では、このSHQモードの導入で、画質が目を見張るほど向上しているかというと、そうともいえない。もともとgigashotは、静止画撮影は得意だったものの、動画に関しては解像感が足りない印象だった。今回のR30/60でも、そのあたりは補われておらず、むしろ、1/2.5型CCDセンサー(総画素数約519万画素)から1/3.6型CCDセンサー(約212万画素)へと、スペック上はダウンしている。

 実際の映像ではこの数字ほどの落差は感じないが、かといって向上しているわけでもない。依然として、とりわけ斜め線などで解像度不足が見受けられる。ただし、もうひとつの問題であった動きの表現に関しては改善されており、ほとんど気にならないレベルだ。

 また、HDD容量の大幅な増加は、従来からの特徴であるファイルの管理・編集機能を、より実用的なものに押し上げている。アルバムをアイコンでわかりやすく分類できるのは、ファイル数が増えてくるほどにありがたみを感じるものだ。また、編集機能というと、ほかのハードディスクビデオカメラではプレイリストへのファイル登録が可能な程度だが、gigashotでは位置を指定してカット編集が可能。「前を削除」「後ろを削除」のみだが、HDD容量に余裕があるため、ファイルのコピーと組み合わせて使えば、かなり凝ったこともこなせるだろう。

photo メニューから「動画編集」を選択して、編集画面を呼び出す。スティックを使って再生制御を行えるほか、ジョグダイヤルでコマ送り/戻しも可能だ。目的の位置で「OK」ボタンを押せば、編集内容の確認が表示される
photo 編集内容は「前を削除」「後ろを削除」での部分カットが用意されている。実際のファイルに編集を加える作業なので、あらかじめコピーをしてから編集したほうがいいだろう。また、サムネイル表示用の画像位置の変更も可能だ。

 価格については、東芝のオンラインショッピングサイト「Shop1048」では、R30が9万9800円、R60が12万9800円で販売されている。購入を考えている人にとっては、どちらを選ぶかが悩ましいところだろうが、クレードルが付属するのはR60のみという点には注意したい。R30には本体底面の端子へ直接接続するUSBケーブルが同梱されている(クレードルは1万2800円で別売)。

photo 電源入力やAV出力端子は本体にも装備されているが、USBやLANを利用する際にはクレードルを利用する。本体の形状が変化したため、クレードルもV10のものとは違っている

 また、Rシリーズの発表と同時に、「gigashot V10(W)」も登場した。これは従来のV10と基本的には変わらないが、2個のバッテリーが同梱されたパッケージとなり、またShop1048での直販のみでなく店頭でも販売される。Rシリーズが追加されたとはいえ、用途によってはV10(W)の存在意義も決して失われていない。実勢価格も6万5000円前後と、あいかわらずコストパフォーマンスは高いようだ。

photo バッテリは薄型タイプで、本体底面から収納する。ズーム不使用の連続撮影で約1時間50分、実撮影時間で1時間程度の動作が可能だ

ビデオ撮影のサンプル画像

photophoto いずれもSHQモードで撮影。発色や動きに関しては問題ないが、解像度はやはり不足気味だ。また、右の映像はワイド画面モードを使用したものだが、単純に上下がカットされ、720×360で撮影される。ビットレートはノーマル/ワイドとも9Mbps

静止画撮影のサンプル画像

photophoto V10では5M(2560×1920)静止画撮影に対応していたが、CCDの変更により、サイズは2M(1600×1200)、1.2M(1280×960)、0.3M(640×480)のみとなった(動画撮影をワイドに設定している場合は、静止画も自動的に1600×900/1280×720/640×360となる)。試しにV10の5M画像を1600×1200へ縮小し、R60の2M画像と比較してみたが、やはり、精細さはV10に軍配が上がる。また、色合いもR60のほうがやや赤みを帯びている印象だ(オート撮影)。

内蔵フラッシュ、補助光での撮影

photophoto 日光下の室内での静止画撮影(左)と内蔵フラッシュを利用した静止画撮影(右)
photo 補助光を利用した動画撮影
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