従来のV10では、動画撮影の品質設定は、LP(2Mbps)、SP(4Mbps)、HQ(6Mbps)という3モード(ワイド画面のHQ/SPを含めると5モード)のみだったが、今回のモデルではさらに高品質が確保可能なSHQモードが追加された。SHQモードではビットレートが9Mbpsとなるが、大容量HDDを搭載しているため、R30でも6時間40分、R60では13時間30分の撮影が行える。
では、このSHQモードの導入で、画質が目を見張るほど向上しているかというと、そうともいえない。もともとgigashotは、静止画撮影は得意だったものの、動画に関しては解像感が足りない印象だった。今回のR30/60でも、そのあたりは補われておらず、むしろ、1/2.5型CCDセンサー(総画素数約519万画素)から1/3.6型CCDセンサー(約212万画素)へと、スペック上はダウンしている。
実際の映像ではこの数字ほどの落差は感じないが、かといって向上しているわけでもない。依然として、とりわけ斜め線などで解像度不足が見受けられる。ただし、もうひとつの問題であった動きの表現に関しては改善されており、ほとんど気にならないレベルだ。
また、HDD容量の大幅な増加は、従来からの特徴であるファイルの管理・編集機能を、より実用的なものに押し上げている。アルバムをアイコンでわかりやすく分類できるのは、ファイル数が増えてくるほどにありがたみを感じるものだ。また、編集機能というと、ほかのハードディスクビデオカメラではプレイリストへのファイル登録が可能な程度だが、gigashotでは位置を指定してカット編集が可能。「前を削除」「後ろを削除」のみだが、HDD容量に余裕があるため、ファイルのコピーと組み合わせて使えば、かなり凝ったこともこなせるだろう。
価格については、東芝のオンラインショッピングサイト「Shop1048」では、R30が9万9800円、R60が12万9800円で販売されている。購入を考えている人にとっては、どちらを選ぶかが悩ましいところだろうが、クレードルが付属するのはR60のみという点には注意したい。R30には本体底面の端子へ直接接続するUSBケーブルが同梱されている(クレードルは1万2800円で別売)。
また、Rシリーズの発表と同時に、「gigashot V10(W)」も登場した。これは従来のV10と基本的には変わらないが、2個のバッテリーが同梱されたパッケージとなり、またShop1048での直販のみでなく店頭でも販売される。Rシリーズが追加されたとはいえ、用途によってはV10(W)の存在意義も決して失われていない。実勢価格も6万5000円前後と、あいかわらずコストパフォーマンスは高いようだ。
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