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“録り逃し”を防ぐソニーの新3 in 1――「RDR-VH85」レビュー(3/4 ページ)

» 2006年03月13日 22時06分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 3 in 1レコーダーで重要なのがVHSも含めたダビング機能だ。本製品はダビング機能内で「HDD」「DVD」「VHS」をそれぞれダビング元、ダビング先として選択する形式で、「VHS」もほぼシームレスに扱われる。ただし、需要が多いであろう「VHS」からのダビングでは、VHSテープ一本を丸々DVD1枚にするといった自動調整機能はなく、VHSテープのダビング開始位置を決めて(開始位置で停止して)、任意の画質でHDDやDVDへダビングするだけ。またVHSへのダビング時も、VHSテープの停止位置からダビングを開始する。極めて基本的な機能に絞られている。

photo ダビングがこのようにダビング元、ダビング先メディアを指定するタイプで、事前にダビング元を操作対象に切り替えておく、といった手間は要らない

 もっとも、一体型のメリットを生かすため、操作系は結構配慮されている点も多い。たとえば、VHSデッキ部はある程度独立しているため、ダビング機能は操作ユニットとして「HDD」「DVD」を選択している場合のみ動作するのだが、「VHS」が選択されていても「システムメニュー」ボタンを押すと自動で操作ユニットが「HDD」に切り替わる。つまり、VHSテープのダビング開始位置を決めてからダビングするといった場合でも、いちいち操作ユニットをHDDやDVDに切り替えて……といった手間は省かれる。

 HDD/DVD間のダビングは画質劣化のない高速ダビングと、画質を指定できる「録画モード変換ダビング」をサポート。ダビングは録画番組リストからの選択順に実行され、選択した番組をもう1度選択すると選択がキャンセルされるというユーザーインタフェースはわかりやすい。録画番組リストはダビング時にも並び替え機能を利用できるので、たとえばシリーズ録画した番組などは「タイトル名」で並び替えるとスムーズに選択作業が行える。DVDメディアのファイナライズは別途実行するスタイルで、DVDビデオのメニューは固定の1パターンのみとシンプルだ。

photo 録画モード変換ダビングでは、ダビング開始前に画質を選択できる。自動調整も可能で、任意の画質を選択した場合にはダビング後のDVDメディアの空き録画時間も目安として表示してくれる。シリーズ番組をこまめに追記ダビングする人には便利そうだ

 スゴ録シリーズでは、原則として高速ダビング中でも予約録画は実行されない。ただし、本製品は3 in 1ということもあり、少々変則的な制限になっているようだ。たとえばHDD/DVD間のダビング中は、高速ダビング中であってもHDDまたはDVDへの予約録画は実行できないが(正確にいえばダビングが開始できず、予約録画が優先される)、HDDからVHSへのダビング中はHDDまたはDVDへの予約録画が、DVDからVHSへのダビング中はHDDへの予約録画が実行できる。

 また、HDD/DVD間のダビング中でもVHSの予約録画は実行可能。VHSからHDDまたはDVDへのダビング中は予約録画のほうが優先され、ダビングは中断される仕様になっている。このあたりは少々わかりにくいのだが、VHSユニットがある程度独立して動作できるため、ダビングと予約録画が完全に排他的ではないのだ。また基本的に予約録画が最優先されるため、VHSが絡む時間のかかるダビング作業が比較的安心して実行できるといえるだろう。

photo はHDDからDVDへダビング中に、VHSで録画を行っているところ。VHSが録画中、HDDが再生中、DVDが録画中になっているのがインジケータでわかるだろう

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