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“宇宙デザイン”から正統派サウンド――JBL「encounter」レビュー小特集:机上のお手軽サウンド強化(2/2 ページ)

» 2006年03月14日 14時37分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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奇抜なデザインから正統派のサウンド

 今回もこれまでと同様、MP3エンコード(ビットレートは160kbps)した曲を収録したiTunesをライブラリーソフトとして音楽を鳴らしてみた。なお、サブウーファーは足元に配置した。

photo サブウーファーの底面

 音を出してみて感じたのが違和感のなさ。高音から低音までのバランスが非常に良く、自然かつスムーズなサウンドを奏でる。決して大型とはいえないサテライトスピーカーが組み合わされているが、JBLらしい中域の艶っぽさは失われていないのは素晴らしい。低音も引き締まっており、ベースラインやバスドラの存在はしっかりと感じさせながら、不快な押し出しという印象はない。

 アルミ製コーンの影響か、高域部にややキラキラした金属的な響きを感じることもあったが、不自然さを感じるほどではない。中域の豊かさからジャズやクラシック、R&Bなどに向く特性であるように感じたが、ロックやテクノ、トランスまでほぼ破綻なく再生してくれる。ソースを選ばないのは大きなメリットといえるだろう。ベース/トレブルブーストの効きもナチュラルだ。

 解像感も高く、各楽器やボーカルの音も非常にクリア。音量を上げても低音だけが妙に強調(俗にいうウーファーが暴れる状態)されることなく、バランスは崩れないのだが、タッチセンサー式のボリュームでは直感的に音量が把握できない。これは好みが分かれるところだろう。また、非常に静かなソース(ピアノ曲など)の再生中に音量を調整すると「プチプチ」というノイズが混入するのは気になる。

 机上で利用する際に留意したいのが、サテライトスピーカー間の距離。17インチ液晶ディスプレイの幅(約40センチ)でもステレオ感を伝えてくるが、一般的な机の幅(約90センチ)ほど離した方が、よりクリアなステレオサウンドになる。ステレオスピーカーの配置は正三角形(左右のスピーカーと視聴者の位置が正三角形を描く)が基本であることを改めて思い出させる。

 今回は試しにテレビやゲーム機と接続もしてみたが、こうした非オーディオ分野で利用しても十分に満足できるサウンドが楽しめた。現在出荷中の製品には、RCA/ステレオミニ変換ケーブルが付属しているので、こうした非オーディオ機器との接続も容易だ。

 ※初出時、RCA/ステレオミニ変換ケーブルが付属していないと記載いたしましたが、現在出荷分については付属しておりますので、加筆修正させて頂きました

photo 付属のACアダプタはかなり大きい

 小型の2.1chスピーカーシステムのなかには必要以上に低音を強調して全体的なバランスを欠いた製品も存在するが、本製品はウーファーの存在を意識させないほどの自然なサウンドが特徴だ。宇宙的ともいえる特徴のあるデザインは好みが分かれるところだが、実売価格も2万円程度(ITmedia Shopping調べ)と手ごろであり、デザインさえ気に入れば愛用できる製品といえる。

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