(C)2005 MOHO FILM/CJ ENTERTAINMENT |
「オールド・ボーイ」でカンヌ映画祭グランプリに輝いた韓国の鬼才パク・チャヌク監督の“復讐三部作”の完結編。無実の罪を着せられたヒロインの悪魔のような復讐劇が描かれる。
6歳の少年を誘拐し殺害した罪で逮捕されたクムジャは、その美貌と残虐な犯行手口で世間を騒がせ、マスコミの格好の餌食となる。懲役13年の刑で、刑務所に服役することになった彼女は、笑顔を絶やさず誰にでも優しく接していた。例えば元朝鮮スパイの老女を世話したり、魔女と恐れられる横暴な囚人の食事に毒をもって殺すなど、その“親切”な行動から、いつしか “親切なクムジャさん”と呼ばれるようになり、周囲の信頼を得る。
やがて、刑期を終え出所したクムジャは、13年前に娘を人質にとり、誘拐殺人の罪を着せた塾講師のペクへの綿密な復讐計画に乗り出す。その一方、養子斡旋所に潜入し、ペクの陰謀で養子に出されていた愛娘の居所を突き止め、オーストラリアへ向かう。喜びの再会も束の間、元囚人仲間に助けを借りながら、クムジャはペクを拉致するが……。
何よりもまず驚かされるのが、イ・ヨンエの変身ぶり。パク・チャヌク監督の出世作となった「JSA」で人気を集め、TVドラマ「宮廷女官 チャングムの誓い」でスターの座についた清純派女優の代表格ともいえる彼女が、微笑みながら「早く死んでね」と言い放つ様はかなり異様で怖い。悲しみと怒り、憎しみと優しさを内に秘め、聖母と悪魔の顔を持つクムジャさんをとことんクールに演じている。クムジャさんの復讐相手は「オールド・ボーイ」で主演を務めたチェ・ミンシク。このほかにもユ・ジテ、ソン・ガンホなど前2作に登場した復讐者たちがカメオ出演しているのにも注目。
独特の映像とサスペンスフルな展開で、クライマックスまでグイグイと引っ張るパク・チャヌク監督の力量はさすが。復讐は決して魂の救済にならない。血にまみれたクムジャさんの心には何が残るのか? その真相を確かめてください。
プレミアム・エディションの特典にはパク・チャヌク監督らによるコメンタリーのほか、監督の映像美学への考察や、出演者のインタビュー、コメンタリー付きの未公開シーンなどを収録している。
「復讐に憐れみを」「オールド・ボーイ」と本作の“復讐三部作”を一挙収録した「パク・チャヌク・リベンジ・トリロジーBOX」(5枚組/1万290円)も同時リリース。
関連サイト:http://www.kumuja-san.jp/(公式サイト)
|
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR