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インタビュー
» 2006年04月25日 19時12分 公開

「クルマのWeb 2.0」――ホンダ インターナビ・プレミアムクラブインタビュー(2/3 ページ)

[渡邊宏,ITmedia]

クルマのWeb 2.0

 同社が「インターナビ・プレミアムクラブ」で提供しているサービスは多岐にわたるが、ナビゲーションに関するサービスとしては、全国のVICS情報をホンダのサーバーで集約することで都道府県にまたがったエリアの情報を提供する「インターナビVICS」、出発時に目的地までの気象情報を確認できる「インターナビ・ウェザー」、定期的にサーバーとの通信を行うことで状況の変化に対応する「ルート状況タイムリー配信」などが用意されている。

photo 「ルート状況タイムリー配信」では自動的にサーバー(センター)へ接続することで、状況の変化に対応する

 その中でも特徴的なのが、2003年9月に実用化された、VICSの設置されていないルートでも渋滞状況を把握できる「インターナビ・フローティングカーシステム」。これは、対応カーナビ装着車が対象路線を実際に走行した所要時間をサーバーへ送信し、サーバーはその走行時間を蓄積・解析、対応車へ送信する仕組み(フローティングカーシステム)を実装したことで可能になったサービスだ。

 走行情報は半リアルタイムでサービス利用者へ反映されていくほか、同時に蓄積と統計処理が行われていき、渋滞予測にも利用される。2005年11月までに蓄積された走行データは累計7500万キロメートルにも及び、これは地球約1875周分に相当する。利用に際しては既存VICSも組み合わせて利用されている。

photo インターナビ・フローティングカーシステムのデータをGoogle Earthで確認できるサービスも2006年3月から開始された。まずは東名阪の中心部20キロ四方の渋滞情報が確認でき、エリアは拡大される予定。「実際にどのような情報が得られるのか、会員以外の方にもイメージしてもらえますし、ホンダ=先進的というイメージのためにも、おもしろい取り組みだと思います」(今井氏)

 目的地の到着時間を入力すると出発時間をアドバイスしてくれる「出発情報アドバイザ」と車線ごとの所要時間を検出してくれる「車線別情報」も、フローティングカーシステムから得られた情報の活用例だ。

photo 「出発情報アドバイザ」の検索結果イメージ
photo 「車線別情報」のイメージ

 出発情報アドバイザは蓄積された走行データとそれから予測される渋滞、リアルタイムで得られるVICS情報のすべてを総合し、精度の高い出発推奨時間を割り出す。また、出発2時間前からサーバー側で道路状況をチェックし、遅れそうな要因(事故や急な工事)が発生した場合には携帯電話など任意のメールアドレスへメールで知らせてくれる。

今井氏: これまでのVICSで最も大きな課題と認識していたのが、出発時点で目的地までの状況を完全には把握できていなかったことです。インターナビ・プレミアムクラブで提供している情報は、既存VICSに比べて距離にして約8倍の情報量を既に持っていますし、すべての情報は実際に走行したという結果に基づいていますから、所要時間の算出がより実際の走行時間に近いのです。

 ホンダの車同士で会話をして、情報を共有しあうイメージですね。最近ではクルマのWeb 2.0とも言われているようですが。(笑)

――実際に利用してみないとなかなかその良さが分かりにくいサービスだと思いますが、ユーザーからの反応はどうなのでしょうか。また、最近では他社からも渋滞予測機能を搭載した製品が多く登場していますが、それらに対してはどのような印象をお持ちですか。

今井氏: まずユーザーの反応ですが、インターナビ・プレミアムクラブに対する満足度は高いと認識しています。特に地図更新サービスとインターナビVICSに対する満足度は非常に高いと思っています。

 他社からも渋滞予測機能を搭載した製品が多く登場していますね。こうした製品はHDDに渋滞に関する統計情報を収納し、ルート設定時に反映させていますが、インターナビVICSはフローティングカーシステムによるリアルタイムのデータを反映させていますので、到着時間にして15%ほどの差が出ます。

 ただインターナビVICSも万能ではありません。従来のVICSと組み合わせるかたちでサービスを提供していますので、VICSのデータ精度が高くないと必然的にナビゲーションの精度が低くなってしまいます。今後もフローティングカーシステムの走行情報を収集し続け、情報の精度を向上させることが必要ですね。

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