早送り/早戻しは最大32倍速までの5段階、スロー再生は16分の1まで4段階が用意されている。このほか、最大12カ所までのブックマーク機能やA-B間リピート、プログラム再生機能なども搭載している。
また、再生中でもアスペクト比や音声、字幕をリモコンのボタン一発で変更できる点もありがたい。「LCD MODE」ボタンは本体前面にも用意されていて、16:9、4:3、LCDオフをワンタッチで切り替えることができる。16:9は、ズームモードを搭載していない(フルモードだけ)ため、レターボックス収録の映画などでは上下左右に黒帯がついてしまうが、最近では該当作品は少ないので気にする必要はあまりないだろう。外部出力時にはパンスキャンなど一通りの画面設定が行える。
このほか、D-VE7000SではMP3やJPEGも再生可能だ。CD-R/-RW、およびDVDメディアをサポートし、フォルダ構造も認識可能。JPEG画像はサムネイル一覧やMP3のID3タグ(ただし英語のみ)表示にも対応した。
また、オーディオDRC(Dynamic Range Control)、MEGABASSを含む5つのイコライザーのほか、クレードルスピーカー使用時に使える3種のバーチャルサラウンド機能を搭載している。バーチャルサラウンドには「LIVE」「HALL」「ARENA」の3種があり、音楽再生を強く意識した構成といえそうだ。音の広がりはナカナカのもので、個人的にはLIVEがお気に入り。HALLはちょっとエコーがかかりすぎている印象を受けた。
気になるバッテリー駆動時間は、トリックプレイなどを行っても3時間50分程度とスペック値(公称3時間)を大きく上回る数字を叩き出した。ただ、「LOW BATTERY」の表示(点滅)が始まってからが長い。表示されてから、30分くらいは再生できてしまうので、そのまま見続けていたが、画面上の点滅がうるさく感じる(外部出力には表示されない)。映画を1本見終えたら、あとは液晶ディスプレイをオフにしてMP3音楽でも聴いているのが良い使い方なのかもしれない。なお、充電時間は実測2時間40分程度だった。
一通り「D-VE7000S」の機能を紹介してきたが、機能面としては他社のポータブルDVDプレーヤーと比べて目立つ特徴はない。再生できるメディアやファイルは豊富だが、同機よりも多くをサポートする機種はいくつもあるし、画質がとくに優れていることもない。同機の魅力はむしろ、そのフォームファクタといえるだろう。
すっきりとしたデザインは、鞄からの出し入れが容易で、使用時もクラムシェル型のポータブルDVDプレーヤーに比べて場所を取らない。スピーカークレードルに載せても奥行きは短く、机の上を効率的に使えるはずだ。普段はデスクトップ用のAVシステムとしてDVDビデオや音楽を楽しみ、外出時には鞄に突っ込んで持ち歩く――ポータブルDVDプレーヤーの利用シーンを突き詰めたスタイルといえるのではないだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR