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マニュアル撮影もできるお買い得6倍ズーム機――「PowerShot A700」レビュー(2/4 ページ)

» 2006年05月22日 14時45分 公開
[永山昌克,ITmedia]

 シャッターボタンを半押しすれば、絞りとシャッター速度が液晶画面に表示されるので、どのくらいのシャッター速度ならブレないかを自分なりに把握しておくことも大切だ。低速になりすぎる場合は、ISO感度を上げて対処したい。

 感度の切り替えは、最近のIXY DIGITALシリーズのような専用ボタンによる操作ではなく、十字ボタンの中央を押しFUNC.メニューを呼び出してから選択する。ダイレクト変更はできないが、FUNC.メニューの中でも感度はいちばん上に表示されるので、特にアクセス性は悪くはない。

 選択できる感度は、オート/高感度オート/ISO80/100/200/400/800の7段階だ。画質優先の場合は最高でISO200まで自動アップする「オート」を、ブレ防止を優先するならISO800までアップする「高感度オート」を利用するといい。ISO800では、それなりにノイジーにはなるが、ブレるよりはよっぽどいい。

photo ズームのワイド側で撮影。高感度オートを使用したが、比較的明るい場所だったので、最高感度までは上がっていない
photo ズームの中間位置を使用。風景を好きな構図で切り取れる自由度は、光学3〜4倍クラスのズーム機よりもはるかに高い
photo ズームのテレ側を使用し、感度は高感度オートに設定。最高感度のISO800までアップしたので、暗部はノイジーになっている
photo FUNC.ボタンを押すと、このFUNC.メニューが表示され、十字ボタンの左右で好きな感度を選択できる。写真では画面が黒くなっているが、実際には、メニューはライブビュー画面上にオーバーレイ表示される

絞りやシャッター速度を設定できる

 設定できる機能は比較的多く揃っている。特に目新しいものはないが、ちょっと凝った撮影を楽しむには十分な内容といっていい。

 上部のモードダイヤルでは、フルオートのほか、プログラムAE、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアル露出、ポートレート、風景、夜景、スペシャルシーン、スティッチアシスト、動画の計11モードを選択でき、スペシャルシーンでは、さらにナイトスナップやパーティ/室内、キッズ&ペットなど9モードを選べる。

 絞りやシャッター速度は、背面十字ボタンの左右を押して、それぞれ1/3ステップで調整できる。露出補正については、専用ボタンを押してから、やはり十字ボタンの左右でダイレクトに設定可能だ。

 AFは、測距点が9点から自動的に選ばれるAiAF、測距点を任意の位置に動かせるアクティブAF、中央1点測距AFの3タイプから選べる。そのほか、最短1センチのマクロモードやマニュアルフォーカス、AF補助光にも対応する。

 昨秋に発売した光学4倍ズームの710万画素機「PowerShot A620」に比べた場合、液晶は2インチから2.5インチに大型化したが、その代わりにバリアングル液晶ではなくなった。個人的には、このバリアングル非対応がいちばん残念な部分だ。ただしPowerShot A700は、PowerShot A620の後継機ではない。なくなったというよりも、製品のラインアップが増えたと考えるのが正しい。

 絞り優先AEやシャッター優先AEモード時に働くセーフティシフト機能や、各種の設定を登録できるカスタムモードも、PowerShot A700では省かれている。個人的には重宝していた機能なので、これも少々さびしい。

 大型化した液晶は、「IXY DIGITAL 800 IS」や「IXY DIGITAL 70」の2.5インチ液晶に比べると、液晶の画素数が低い分、表示はやや粗い。とはいえ、見えにくいというほどではなく、価格を考えれば許容範囲だろう。

photo 2.5インチの液晶モニターと光学ファインダーを搭載。露出補正ボタンを押すと、液晶上にバーが表示され、±2段の範囲内で露出補正を設定できる
photo 撮影メニューでは、AFモード、ストロボの赤目緩和、マニュアルフォーカス時の拡大表示、AF補助光、デジタルズームなどを設定できる
photo グリップの先端にシャッターボタンとズームレバーを装備。各種のボタンやレバーは簡潔にまとまって配置され、それぞれに適度なクリック感がある
photo シャッター優先AEモードを選び、8秒の長時間露光で撮影した。車のライトや街灯が鮮やかな色で表現された

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