これはISO400で1/320秒という高速シャッタースピードで撮った写真。水しぶきがほぼ止まってる。だんだんシャッタースピードを遅くしていって見よう。
これはISO80で1/50秒。ちょっと水しぶきが中途半端な長さだ。そこで、絞りをF8にしてもっとシャッタースピードを落としてみる。
これは1/10秒。だんだんと水が「水滴から流れ」になってきた。
普通はこれが限界。だが、ここで秘密兵器が登場。「ND8フィルタ」というアイテムだ。簡単にいえば「レンズ用のサングラス」。わざと暗くするフィルタだ。コンパクトデジカメの場合こういうフィルタを装着できるものとできないものがあるので注意したい。今回はアダプタを使ってフィルタを付けられるデジカメで撮った。
これでシャッタースピードは0.8秒。日差しが強い日だったのでこれ以上は落とせなかったが、水の流れる雰囲気が随分違ってるのが分かるはず。
NDフィルタには暗さによって何種類かあって、ND4フィルタは2段分(つまり1/10秒のとこが1/2.5秒になる)、ND8フィルタは3段分(つまり1/10秒のとこが0.8秒になる)。その上にND400フィルタというもっと暗いのもある。
もう1つ、こういう場所で便利なのが「PLフィルタ」。日本語だと「偏光フィルタ」というのだけど、反射光をカットしてくれるフィルタだ。光はいろんなものに反射してレンズに届くんだが、反射光のおかげで色がくっきりしなかったり水面にあれこれ写り込んだりする。それを防ぐのがPLフィルタで、フィルタを回転させてきれいに写る方向を見つけて撮る。
水面があると効果が分かりやすい。
2枚目がPLフィルタを使って撮ったもの。反射光を抑制することでこれだけ写りが変わるのだ。
普通に撮るとこうなる。逆光で撮った「佛沢の滝」だ。
これにPLフィルタを付け、ちょっとマイナスの露出補正をかけ、上の方に逆光で余計な光が入り込んでるのでレンズの前に手をかざしてそれを防ぎ、撮り直したのがこちら。ちなみにこのように逆光で余計な光が入り込むのを防ぐためにレンズフードがあるのだが、ないときは、フード代わりに手やちょっとした板をレンズの上にかざして強い光が斜めから入り込まないようにするだけでも全然違う。
全然違う写真になってるのが分かるかと思う。
山へ行って渓流を撮りたい、と思ったら三脚とNDフィルタとPLフィルタは強い味方というわけだ。
あとは……カメラをぶつけて壊さないようにってことか。首からぶら下げて渓流を歩いてるとその辺の岩にぶつけがちだから。
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