強化されたのはISO感度。2006年版キヤノンデジカメ共通の高感度対応で、ISO800まで上げることができる。ISOボタンが背面に新設され、ISOボタンを押すとISOオート、高感度オート、そして80……800と順番にセットできるようになった。
ここで注目したいのは高感度オート時の振る舞いだ。
暗いときのみならず、スポーツや動物など被写体ブレを起こしそうな動く被写体を撮るときすごく便利な挙動をしてくれる。高感度オートにするとISO400を中心に開放絞りを基本にして最高のシャッタースピードを得られるよう働くのだ。
ISOオート時はExif情報にISO感度が書き込まれないので詳細把握は難しいが、昼間なら普通に1/1000秒以上のシャッタースピードを得られるし、いわゆる手ブレ限界(1/焦点距離)を超えたあたりでISO800へ上がっていくっぽい。
もちろんISO感度が高めで推移する分、ノイズは増えてやや絵は荒れるけれども、上手に使えばすごく楽しめる仕様だ。
増感時の画質の低下は思ったほどではない。ISO800まであげると偽色ノイズが乗っかってくるが、画像処理が巧いのか、全体に細かいノイズがかかるものの不自然さはあまりなく、色味もそこそこ残してくれる。被写体にもよるがISO400までは結構実用的だ。
S3 ISはIXY系とは違ってハイエンド仕様。モードダイヤルはEOS風で各種マニュアル撮影機能やイメージモードが用意されている。
ボディの左側にマクロとMFボタンが独立して用意してあり、マクロボタンを長押しするとスーパーマクロモードになる。
背面には十字キーのほか、FUNC、ISO、ショートカット(任意の機能を割り当てられる)などが並ぶが、露出補正がFUNCメニューの中というのはちょっと残念なところだ。ここまできたら「Powershot S80」のようなダイヤル兼用十字キーがあるとよかったのに。
ファインダーは0.33インチ液晶を使ったEVFと2.0インチ液晶モニター。EVFは(このクラスでは)大きくて見やすい。フォーカスチェックまではできないが、なかなかよくできている。
液晶モニターはバリアングル式。11.5万画素と今となっては粗い解像度だしサイズも2.0インチだが、それ以上に自由に回転させられるメリットを評価したい。これはよい。望遠時は安定した撮影のためにもEVFを使ってしっかり構えたいが、中望遠以下のスナップ時にはアングルフリーの撮影ができるのはとても便利。
個人的に猫写真をよく撮るので、猫目線で撮れるバリアングル式は欠かせないのである。
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