2006年春に出た光学式手ブレ補正レンズ搭載12倍ズームデジカメは3機種。松下電器産業の「DMC-FZ7」(以下、FZ7)、キヤノンの「Powershot S3 IS」(以下、S3 IS)、ソニーの「DSC-H5」(以下、H5)。
もっとも大きく変わったのがFZ7。デザインが一新され、よりカメラらしいスタイルになったが、ちょっと大きくなり、前モデル「DMC-FZ5」の圧倒的な“小ぶり感”がなくなったのは残念。それでも今回の3モデルの中ではもっとも軽くてコンパクトな12倍ズームなのが一番の良さか。
H5は一番大きくて思いけれども3.0インチともっとも大きな液晶モニターと、ダイヤルによる操作が特徴だ。
それに対してS3 ISは前モデル「Powershot S2 IS」(以下、S2 IS)を踏襲したデザインでマイナーチェンジに近いモデルで一見地味だ。
重さはH5とあまり変わらないし(約406グラム)、液晶モニターは2.0インチと前モデルより大きくなったものの、FZ7の2.5インチやH5の3.0インチに比べるといかにも小さく感じる。
でも、汎用性ではS3 ISが一番いい。
ほかのモデルにはないフリーアングルタイプの液晶モニターはハイアングル・ローアングル、縦位置でのローアングルなど様々な姿勢での撮影を容易にしてくれる。最近フリーアングル液晶の製品が減ってるのでそういう意味でもうれしい。
動画専用ボタンを押せばいつでもVGAサイズ30fpsでステレオ音声の動画を撮れるので、ちょっとした動画にも強い。
さらにS3 ISで追加された高感度仕様がなかなか便利。単に最高感度を上げたのみならず、ISO感度の上げ方にも工夫されているからだ。
そんなわけで、トータルの使い勝手で見るとS3 ISは非常に捨てがたいのである。
S3 ISは一見、S2 ISと大きな違いはない。
レンズは35〜432ミリの12倍ズームでF2.7〜3.5。最短撮影距離はマクロで10センチ(ワイド端)、スーパーマクロにするとズームがワイド端固定になってレンズ直前(0センチ)まで寄れるようになる。テレ端は90センチだ。スーパーマクロ機能がなかなかいい。
撮像素子は1/2.5インチの600万画素CCD。S2 ISの500万画素から増え、現在もっともポピュラーなCCDが採用された。
AFはIXYで採用されているAiAFではなく中央一点が基本。ただし、SETボタンを押せばAF位置を任意の位置に(といっても端っこは無理)設定できるし、マニュアルフォーカスやフォーカスブラケティング撮影もできる。この辺はハイエンド系の仕様で、とても便利だ。
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