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タッチパネルで使いやすい、遊び心のあるカメラ――ペンタックス「Optio T10」レビュー(2/5 ページ)

» 2006年06月02日 10時00分 公開
[小山安博,ITmedia]

タッチパネルの使いやすさを発揮

 起動は本体上部の電源ボタンを押す。電源ボタンを押してから液晶画面が点灯、撮影可能になるまでは実測で3秒強ほどかかった。ちょっと長いような印象があるが、タッチパネルの影響があるような感じ。この起動時に限らず、ちょっとタッチパネルの動作にもっさり感を感じる場面があったのは残念だ。

photo 本体上部もシンプル

 さて、そのタッチパネルである。DSC-N1はオンスクリーンキーボタンを押さないと、液晶に触れてもなにも起きない仕組みだったが、T10は液晶に触れるだけでダイレクトにタッチパネルとして活用できる。

 起動後、画面のどこでもいいので指先で触れると撮影設定画面がするっと上から現れる。デフォルトでは撮影モード/ストロボ/ドライブ/フォーカスの4種類の撮影設定の選択アイコンが表示される。

photo タッチパネルに触れると現れる撮影メニュー。大きめのアイコンなので指先でも触りやすい。上段の4項目に加え、下段にはカスタマイズでさらに4項目のメニューを追加できる

 この4項目に加え、さらに4つのアイコンを追加することが可能で、記録サイズ変更/画質/ホワイトバランス/AFエリア/フォーカスリミット/測光方式/ISO感度/露出補正/シャープネス/彩度/コントラストという11項目から自由に選べる。

photo 追加できるのは11項目

 さらに動画モードにすると、静止画とは別に4項目を追加できる。選べるのは記録サイズ/画質/フレームレート/ホワイトバランス/露出補正/シャープネス/彩度/コントラストの8項目。

 こうしたカスタマイズ性が充実しているのはペンタックスらしい部分。頻繁に使う撮影設定というのはだいたい決まっているが、それでも使い方に応じてカスタマイズできる点はうれしい。

 カスタマイズ性といえば、電源をオフにして、再度オンにしたときに、以前の設定を記憶するかどうかもカスタマイズでき、ストロボやドライブ、フォーカス、ズーム位置、ホワイトバランス、ISO感度、露出などの各設定を、リセットするか記憶するか選べる。

photo 記憶しておく機能の数も多い。このメモリ機能が複数保存できたらもっと便利なのだが、ないものねだりだろう

 これらのカスタマイズ設定は、数少ないハードウェアボタンであるメニュー/戻るボタンを押してメニュー画面を表示し、「共通」アイコンを押すと現れる「モードメモリ」または「Fn設定」から設定する。

photo メニューボタンを押して現れるメニュー

 撮影設定やメニュー画面のいずれも、表示されるアイコンは指先でも押しやすいように大きく、表示も文字と絵柄で分かりやすい。指で触れていくだけで撮影設定が決められる操作性は快適で、ハードウェアボタンがなくても十分使いやすい。アイコンを押す際の動きもきびきびとしており、使い勝手に問題はなさそうだ。

 ただ、撮影の際にはタッチパネルは特に機能するわけではない。T10はAFの5点測距を備えるが、たとえばDSC-N1と同じように指を触れた位置にAFを合わせる、なんて機能が実現すれば直感的だと思う。

 また、戻るボタンがハードウェアボタンなのもちょっと悩ましいところで、戻るアイコンがない分画面は有効利用できる半面、指先や付属のタッチペンではハードウェアボタンは押しづらいので、指を入れ替える必要が出てくる(アイコンは人さし指、戻るボタンは親指が押しやすい)。このあたりのインタフェースは各社のポリシー次第かもしれないが、ソニーのDSC-N1には戻るアイコンが表示され、個人的にはそちらの方が使いやすかった。ただ、この辺は慣れと好みの問題だろう。

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