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第49回 雨と水滴とシャッタースピードの関係今日から始めるデジカメ撮影術(2/3 ページ)

» 2006年06月08日 12時21分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

雨の日こそマクロ

 雨の日こそ外へ出よう。窓の中や軒下の安全圏で撮るのもいいけど、大雨でなければ雨ならではの濡れた街というのもなかなか楽しい。

 ただしカメラは濡らさないように。ちょっと水滴が付くくらいならまあ大丈夫だけど、本格的に濡れたら壊れちゃうかもしれないし、レンズに水滴がついたら困る。その辺は慎重に。

 傘をさして撮るならお勧めは、55センチサイズ(つまり大きめサイズ)の透明のビニール傘。

 雨に濡れた草花、水たまりを撮ろうと思うのだけど、そうするとマクロ撮影になる。被写体に近づくと暗い色の傘だとどうしてもその分暗くなっちゃうのだ。そういう意味では透明のビニール傘はなかなかいい。

 ではまず雨に濡れたあじさいだ。

 このように雨の日は思ったより「暗い」。暗いからシャッタースピードが遅くなる。暗い上に傘を差してると「片手撮り」になったり、そうじゃなくても左手は傘をさしつつカメラも押さえる、ってことになるのでより手ブレしやすいのだ。またシャッタースピードが遅いとちょっとした風でも被写体ブレを起こしちゃう。

 そこはもうがんばってブレないように撮る。感度を上げたり、露出補正をちょっとマイナスにかけてみるのもいい。

 普通に撮るとシャッタースピードが遅くてブレちゃうが、マイナスの露出補正をかけて撮ってみるとこうなる。

 逆に緑がぎゅっと締まった色になって、雨の日の暗い感じも出た。

 もっと雨らしいのはやはり水滴。「白露のおのが姿をそのままに 紅葉におけば紅の玉(一休宗純)」というくらいで、雨粒も緑におけば緑の玉。

 マクロモードで思い切り近寄ってみた。葉に落ちた雨粒は被写体としてなかなかいいのだ。

 ではこんな写真も。

 今にも落ちそうなんだけど表面張力でなんとか踏みとどまっている水滴というのも風情があってよい。

 同じ水滴でも背景をどちらにするか、水滴に何を写すかで雰囲気がガラっと変わる。2枚目の方が背景がボケていてよりくっきりと水滴が写っている。

 水滴といえば松。

 松の枝の先に集まった水滴が今にも落ちそう、というのはなかなかいいが、松の枝はすごく細いので、そこにピントをうまく合わせるのが大変。ちょっとした風ですぐ揺れるので、被写体ブレが起きやすいなどなかなか難しいもの。これはちょっとISO感度を上げて撮ってみた。

 でも本当は感度はあまり上げない方が滑らかできれいな絵が撮れる。

 雨のお散歩編最後は「水紋」。

 水たまりを見ていると雨粒の作る水紋が複雑に絡み合ってなかなか楽しいモノ。

 とかいいつつ手近にいい水たまりがなかったので道路の路肩でお茶を濁してしまった。

 水が落ちるといえばこんな写真も撮れる。軒下で落ちる水を受け止めるバケツを撮ってたらこんな写真が得られた。

 ISO感度を上げてシャッタースピードを速くし、連写モードにしてたくさん撮った中の1枚。

 ちょうど水滴がバケツで跳ねた瞬間だ。こういう写真も雨の日ならではといってよくはないか。

 くれぐれもカメラを濡らしちゃわないように。防水カメラや、カメラ用の防水パックなんかに入れて撮ればそういう心配もいらない。

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