プリンストンテクノロジーから発売された「PTV-WWTV7」は、チューナー部で圧縮したテレビ映像を、防水仕様のテレビ部に無線LANで伝送するワイヤレステレビで、いわいる「お風呂テレビ」の新製品だ。無線LANを利用した防水型テレビとしては久々の新製品であり、同社としては初めての家電分野での製品となる。プリンストンテクノロジーから「お風呂テレビ」が誕生した経緯を同社企画開発部の増澤昌一氏に聞いた。
――先日発売されたワイヤレス防水テレビ「PTV-WWTV7」ですが、これまでの御社の製品ラインアップにはなかった家電分野の製品です。新しい分野へ参入された理由と、それがなぜ家電だったのかを教えてください。
増澤氏: これまで弊社ではメモリやネットワーク機器、デスクトップサウンドなど、弊社はPC周りの周辺機器を取り扱ってきました。1年半ほど前になるでしょうか、無線LANと液晶ディスプレイ関するノウハウを生かして、新機軸の製品作りにチャレンジすることになったんです。社内の検討会などで、無線LAN伝送を行うテレビというアイディアが出て、どこでもテレビというコンセプトが固まりました。こうした経緯で、結果的に家電分野への参入となったわけです。
――これまでの集大成としてワイヤレステレビを製品化したわけですね。防水機能を持たせて「お風呂テレビ」としたのは、どういった経緯からでしょうか。
増澤氏: 「どこでも」ということで、当然お風呂やキッチンなどの水周りの使用も考えられましたので、防水は比較的早い段階で盛り込まれました。テレビ部は「JIS防水保護等級6耐水型」相当の防水機能を持たせています。これは「いかなる方向からの水の直接噴流を受けても内部に水が入らない」という防水性能です。
また、防水テレビとしては後発ですので、他社製品よりも細かい部分を改善しています。例えば、側面の端子をカバーする蓋ですが、たまった水が内部に入り込まないよう上向きに開閉するようになっています。
――価格はオープン価格ですが、実売では5万円を切っています。ワイヤレステレビとしては、かなりお買い得ですが、企画段階から意識した価格帯だったのですか。
増澤氏: ワイヤレスの防水テレビは、他社からも販売されていますが、ニーズがあるのに価格が高く、あまり成長していない市場です。手頃な価格で製品を投入し存在感を出す、というマーケティング面での挑戦も1つの目的でした。
家電として幅広い層の方に選んでいただくためにも、妥当な価格で提供したいと思っています。ただ、コストを気にしてスペックを落とすわけにもいきませんし、防水ということで信頼性も必要になってきます。コストを抑えられる部分と、しっかり作りこまなくてはいけない部分の見定めが必要でした。
たとえば、PTV-WWTV7の画面は7型ワイドですが、これは現在、カーナビ用途で一番使われているサイズです。流通量が多いため、高品質なものを低価格で使用することができました。液晶ディスプレイは需要と供給のバランスによって価格の変動が大きい部材です。こうしたコスト管理にも弊社のこれまでの経験が役立ちました。
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