発売日:2006年5月27日 価格:3990円 発売元:AMGエンタテインメント/アットエンタテインメント 上映時間:108分(本編) 製作年度:2005年 画面サイズ:シネマスコープサイズ・スクイーズ 音声(1):ドルビーデジタル/5.1ch/英語 音声(2):ドルビーデジタル/2.0chステレオ/日本語 |
変態派アトム・エゴヤンよ、どこへ行く
カーリングの国、それはカナダ。「サウスパーク/無修正映画版」では、子供に悪影響を与えるお下劣映画を作った国として、PTAから宣戦布告。「ボウリング・フォー・コロンバイン」では外出する時もカナダ人は鍵をかけないと、褒めてるんだかバカにしてるんだかよく分からない取り上げ方をされていた。そこから連想されるカナダのイメージは、朴とつだけど、どっかダサい。しかし映画界屈指の2大変態派を生んだ国といえば、カナダを見る目が変わってくるはずだ。
ひとりは「ヒストリー・オブ・バイオレンス」で、ヴィゴ・モーテンセンを脱アラゴルン化させたデヴィッド・クローネンバーグ。そしてもう一方が、アトム・エゴヤン。この2人、流派だけでなく住んでる街まで同じトロントだとか。いったいどんな景色を眺めて育ったら、「ザ・ブルード/怒りのメタファー」とか「エキゾチカ」が頭の中から出てくるんだろうね。
「エキゾチカ」「スウィート ヒアアフター」「フェリシアの旅」。アトム・エゴヤンの映画では少女がヒロインを務めることが多いけれど、いつもそこには不穏な空気が漂っている。「エキゾチカ」では制服姿のストリッパー(ノーパン)。「スウィート ヒアアフター」では、父親と近親相姦する美少女(ユマ・サーマンに酷似時代のサラ・ポーリー)。「フェリシアの旅」では、連続少女殺人犯に愛される17歳の妊婦。うーん、エゴヤンの少女を見る目は明らかに危ない。アルメニア系である自身の出自についての歴史大作「アララトの聖母」で更正(?)したかと思いきや、本作「秘密のかけら」で、その視線は再び予想のつかない方向に向かっている。
舞台は1972年のロサンゼルスと、50年代後半のショウビズ界の2部構成。時代を席巻したエンターテイナー・コンビ、ラニー・モリス(ケヴィン・ベーコン)とヴィンス・コリンズ(コリン・ファース)。彼らの滞在するホテルの浴室から女性の全裸死体が見つかり、このスキャンダルによってコンビは解散に追い込まれる。それから15年、新進気鋭の女性ジャーナリスト、カレン(アリソン・ローマン)は、ラニーとヴィンスの暴露本を執筆しようとする。子供時代のカレンにとって2人は神様のような存在だったが、近づくにつれ偶像が崩れ、自分自身も芸能人の退廃的な世界に引き込まれてゆく……。ぶっちゃけ(そして予想通り)寝ちゃうわけだけど。
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