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超高感度で撮れるスナップデジカメ――「FinePix F30」レビュー(4/4 ページ)

» 2006年06月26日 11時36分 公開
[永山昌克,ITmedia]
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メモ用途に高感度の恩恵は大きい

 高感度の画質に注目しがちだが、低感度側の画質も非常に良好だ。露出やホワイトバランスの制御が安定しているので、押すだけのフルオートでバランスのいい画質になる。特に肌色の色再現が鮮やかで、見栄えがする。

 全体にシャープネスが強めで、拡大表示すると被写体のエッジ部にノイズが見られることや、ピントが合っていない部分のぼけが滲んだような描写になることは、これまでのスーパーCCDハニカムの傾向を受け継いでいる。自然というよりは人工的に作られた絵という印象を受けるが、記憶や記録を残すスナップカメラとしての役割を十分に果たしている。

 画質がおおむね良好で、バッテリー持久力に優れ、操作のレスポンスにもストレスはない。個人的に使用頻度は低いとはいえ、絞りやシャッター速度の設定もできる。後はデザインにもう少し華があり、28ミリ相当のワイド撮影に対応してくれれば、なおよかった。そんな要望はあるけれど、このボディサイズで実用的な高感度画質を実現している機種はほかにほとんどなく、一眼レフ機のサブ用メモカメラとして愛用したくなる。

作例

photo 最低感度のISO100で撮影。ピンクの造花が鮮やかな色で再現された
photo 見たままの印象に近い、澄んだ色の海と空になった
photo 発色傾向を初期設定の「スタンダード」から「クローム」に切り替えて撮影
photo 同じく「クローム」を使用。彩度とコントラストがいっそう強調される
photo シャッター優先AEモードを選び、3秒の低速シャッターで撮影
photo ISO200で撮影。シャープネスが強く、メリハリのある描写になる
photo 解像感はスナップカメラとして問題ないレベルで、細かい部分まできっちりと再現
photo ホワイトバランスのカスタム設定も可能だが、たいていのシーンはオートのままで、ちょうどいい色になる
photo ISO400を選び、シャッター速度1/40秒で撮影。手ブレ補正機構は非搭載。あるにこしたことはないが、ないからといって特に不都合は感じなかった
photo ISO800で撮影。高感度でも低ノイズなことが何よりも大きな魅力だ
photo マクロモードを選ぶと、ワイド側で最短5センチ、テレ側で最短30センチの接写ができる。このカットはワイド側で30センチ付近から撮影。まだまだ近づける
photo ズームのワイド側を使用し、ISO1600で撮影。ワイド側の歪みは比較的良好に補正されている
photo ISO1600で撮影。暗部を中心にざらつきが見られるが、フラッシュを使いたくないシーンでは有効
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